アジャイル開発プロジェクトの状況について、振り返りで得られた教訓のうち、“アジャイル宣言の背後にある原則”に照らして適切なものはどれか。
[プロジェクトの状況]
イテレーション1〜6から成る開発を計画し、イテレーションごとに動くソフトウェアのデモを顧客に対して実施することによって進捗状況を報告していた。
イテレーション4のデモの後に顧客から機能追加の要求が提示された。
顧客と対面による議論を行った結果、その要求に価値があると判断し、機能追加を受け入れることにした。
機能追加を行うことによって、追加機能を含むイテレーション5の全機能の完成が間に合わなくなることが分かったので、イテレーション5の期間を延長してこの機能追加を行うことにした。
イテレーション5で予定していたすべての機能を実装してイテレーション5のデモを行ったときに、追加した機能の使い勝手に問題があることが分かった。
その時点で、当初予定した開発期間は終了した。
ア |
開発の後期に提示された顧客からの機能追加の要求は受け入れず、拒否すべきであった。 |
イ |
追加機能を含む昨日の優先順位を顧客と合意し、イテレーション5の期間を延長せずに、優先度の高い機能から開発すべきであった。 |
ウ |
使い勝手に関する認識の食い違いが発生しないように、対面でなくメールによって記録を残す形で議論すべきであった。 |
エ |
デモは顧客からの変更要望が出やすくなるので、進捗状況を完成度合いの数値で表して報告すべきであった。 |
答え イ
【解説】
アジャイル宣言の背後にある原則は丘のようになっています。
私たちは以下の原則に従う:
顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。
要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。
変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。
動くソフトウェアを、2〜3週間から2〜3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースします。
ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなりません。
意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。
環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。
情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法は対面で話をすることです。
動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。
アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進します。
一定のペースを継続的に維持できるようにしなければなりません。
技術的卓越性と優れた設計に対する不断の注意が機敏さを高めます。
シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です。
最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます。
チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整します。
ア |
開発の後期に提示された顧客からの機能追加の要求も受け入れます。(×) |
イ |
追加機能を含む昨日の優先順位を顧客と合意し、イテレーション5の期間を延長せずに、優先度の高い機能から開発すしてリリースするべきです。(〇) |
ウ |
使い勝手に関する認識の食い違いが発生しないように、対面で十分な議論を行います。(×) |
エ |
デモのように実際に動作するソフトウェアを顧客に見せることで変更要望が出やすくなり価値を高めることができます。(×) |
【キーワード】
・アジャイルソフトウェア開発宣言
【キーワードの解説】
- アジャイルソフトウェア開発宣言
従来型のソフトウェア開発のやり方とは異なる手法を実践していたソフトウェア開発者が、それぞれの主義や手法についての議論を行い、宣言が公開されました。そこには、彼らがソフトウェア開発を行ううえで重視している「マインドセット」が書かれています
私たちは、ソフトウェア開発の実践あるいは実践を手助けをする活動を通じて、よりよい開発方法を見つけだそうとしている。
この活動を通して、私たちは以下の価値に至った。
・プロセスやツールよりも個人と対話を、
・包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
・契約交渉よりも顧客との協調を、
・計画に従うことよりも変化への対応を、
価値とする。すなわち、左記のことがらに価値があることを認めながらも、私たちは右記のことがらにより価値をおく。
もっと、「アジャイルソフトウェア開発宣言」について調べてみよう。
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