2023年 情報セキュリティマネジメント 問14

A社は旅行商品を販売しており、業務の中で顧客情報を取り扱っている。 A社が保有する顧客情報は、A社のファイルサーバ1台に保存されている。 ファイルサーバは、顧客情報を含むフォルダにある全てのデータを磁気テープに毎週土曜日にバックアップするよう設定されている。バックアップは2世代分が保存され、ファイルサーバの隣にあるキャビネットに保管されている。
A社では年に一度、情報セキュリティに関するリスクの見直しを実施している。 情報セキュリティリーダーであるE主任は、A社のデータ保管に関するリスクを見直して図1にまとめた。

  1. (省略)
  2. (省略)
  3. (省略)
  4. バックアップ対象とするフォルダの設定ミスによって、データが復旧できなくなる。
図1 A社のデータ保管に関するリスク(抜粋)

E主任は、図1の4のリスクを低減するための対策を検討し、効果が期待できるものを選んだ。

 設問  次の対策のうち、効果が期待できるものを二つ挙げた組合せを、解答群の中から選べ。
 (一)  週1回バックアップを取得する代わりに、毎日1回バックアップを取得して7世代分保存する。
 (二)  バックアップ後に、磁気テープ中のファイルのリストと、ファイルサーバのバックアップ対象ファイルのリストとを比較し、合致しているかを確認する。
 (三)  バックアップ対象とするフォルダの設定を、必ず2名で行うようにする。
 (四)  バックアップ用の媒体を磁気テープから外付けハードディスクに変更する。
 (五)  バックアップを二組み取得し、うち一組みを遠隔地に保管する。

解答群
 ア  (一)、(二)  イ  (一)、(三)  ウ  (一)、(四)
 エ  (一)、(五)  オ  (二)、(三)  カ  (二)、(四)
 キ  (二)、(五)  ク  (三)、(四)  ケ  (三)、(五)
 コ  (四)、(五)


答え オ


解説

 (一)  週1回バックアップを取得する代わりに、毎日1回バックアップを取得して7世代分保存することで、設定ミスの低減は期待できません。(×)
 (二)  バックアップ後に、磁気テープ中のファイルのリストと、ファイルサーバのバックアップ対象ファイルのリストとを比較し、合致しているかを確認することで、設定ミスの低減は期待でます。(〇)
 (三)  バックアップ対象とするフォルダの設定を、必ず2名で行うようにするとで、設定ミスの低減は期待でます。(〇)
 (四)  バックアップ用の媒体を磁気テープから外付けハードディスクに変更することで、設定ミスの低減は期待できません。(×)
 (五)  バックアップを二組み取得し、うち一組みを遠隔地に保管することで、設定ミスの低減には期待できません。(×)


キーワード
・バックアップ

キーワードの解説
  • バックアップ(backup)
    データの複製をあらかじめ用意しておいて、問題が起きたときにデータの復旧ができるように備えておくことです。
    オリジナルデータの完全な複製を作成するフルバックアップと、フルバックアップからの変更箇所のみの複製を作成する差分バックアップや増加したデータのみの複製を作成する増加バックアップがあります。
    バックアップを行うときバックアップはデータの整合性を保つためシステムを停止する必要があり、時間のかかるフルバックアップと短時間ですむ差分バックアップや増加バックアップを組み合わせた方法が使われることが多い。

もっと、「バックアップ」について調べてみよう。

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