平成23年 秋期 ITストラテジスト 午前II 問4

投資効果を現在価値法で評価するとき、最も投資効果の大きい(又は損失の小さい)シナリオはどれか。
ここで、期間は3年間、割引率は5%とし、各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。

単位 万円
シナリオ 投資額 回収額
1年目 2年目 3年目
A 220 40 80 120
B 220 120 80 40
C 220 80 80 80
投資をしない 0 0 0 0

 ア  A  イ  B  ウ  C  エ  投資をしない


答え イ


解説
各シナリオを現在価値法で評価すると、現在価値法の計算式は
 (1年目の回収額)÷(1 + 5%)0 + (2年目の回収額)÷(1 + 5%)1 + (3年目の回収額)÷(1 + 5%)2 - 投資額
 = 1年目の回収額 + 2年目の回収額÷1.05 + 3年目の回収額÷1.1025 - 投資額
なので

  • シナリオA
    40 + 80÷1.05 + 120÷1.1025 - 220 = 5.03…
  • シナリオB
    120 + 80÷1.05 + 40÷1.1025 - 220 = 12.47…
  • シナリオC
    80 + 80÷1.05 + 80÷1.1025 - 220 = 8.75…
になり、もっとも投資効果の大きいシナリオはシナリオB(イ)になる。


キーワード
・キャッシュフロー
・現在価値法

キーワードの解説
  • キャッシュフロー(cash flow)
    企業活動によって実際に得られた収入から外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのことです。(今、使うことのできる現金のことです。)
    現金収支を把握するためのもので、将来的に入る予定の利益は含めずに計算します。
  • 現在価値法
    投資の判断をするときの基準の1つで、将来のキャッシュフローを現在の価値に直して、それをすべて合計することで、投資額よりも大きくなればそれが大きい投資案から実行し、投資額よりも小さくなればその投資案には投資しません。
    現在価値法の問題は将来のキャッシュフローの予測が正確にできることが前提となっているため、変動するリスクが考慮されていないことです。

もっと、「キャッシュフロー」について調べてみよう。

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