製品X及びYを生産するために2種類の原料A、Bが必要である。
製品1個の生産に必要となる原料の量と調達可能量は表に示すとおりである。
製品XとYの販売1個当たりの利益が、それぞれ100円、150円であるとき、最大利益は何円か。
原料 |
製品Xの生産1個当たりの必要量 |
製品Yの生産1個当たりの必要量 |
調達可能量 |
A |
2 |
1 |
100 |
B |
1 |
2 |
80 |
ア |
5,000 |
|
イ |
6,000 |
|
ウ |
7,000 |
|
エ |
8,000 |
答え ウ
【解説】
製品Xの生産量をx 、製品Yの生産量をy とし、原料Aと原料Bについての式を立てると
原料A:2x + y ≤ 100 …(1)
原料B:x + 2y ≤ 80 …(2)
になり、(1)の原料Aの式を変形すると
y ≤ 100 - 2x …(3)
で、これを(2)の原料Bの式に代入すると
x + 2(100 - 2x ) ≤ 80
x ≥ 40
になり、これを(3)の式に代入し
y ≤ 20
なので、最大利益になるのは製品Xを40個、製品Yを20個生産したときで、その金額は
100円/個×40個 + 150円/個×20個 = 7,000円
(ウ)になる。
製品Xと製品Yの利益から製品Yを優先的に生産したほうが最大の利益になるように思えますが、こういった問題では原料を無駄なく使ったほうが最大利益が出ます。
製品Yの最大の生産個数は原料Bの調達可能量から40個で、その利益は6,000円ですが、ここから製品Bの生産を1個減らすと、製品Xを2個生産できるので利益差は、
100円×2個 - 150円 = 50円
増えます。
【キーワード】
・線形計画法
【キーワードの解説】
- 線形計画法
一次不等式で表される制約式の範囲内で目的関数の最大値あるいは最小値を求める手法。
別の言い方をすれば、ある制約の範囲内で最適解を求める手法と言えます。
この問題では制約は最大製造能力であり、目的は販売利益を最大化することです。
線形計画法は、製造業以外でも、流通業、小売業などで使われています。
(もともとは、第二次世界大戦時にアメリカで、物資輸送や航空機爆撃の計画用に考え出したものです。)
もっと、「線形計画法」について調べてみよう。
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