平成24年 秋期 ネットワークスペシャリスト 午前II 問5

ADSLの上りの伝送速度が下りよりも遅くなっていることの説明として、適切なものはどれか。

 ア  ISDNとの干渉を防止するためである。
 イ  加入者宅のADSLモデムとその対向先であるADSL集合モデムとの間を流れるATMセルの仕様で制限されているからである。
 ウ  通信事業者やインターネットサービスプロバイダ側でセキュリティチェックを行うからである。
 エ  上りの変調周波数帯域が、下りの変調周波数帯域と比べて狭いからである。


答え エ


解説
ADSLは一般のアナログ電話回線を用いた高速データ通信方式で、主に一般家庭で使われることを想定していて、上り(家庭→インターネット)よりも下り(インターネット→家庭)の通信量が多いため、利用可能な周波数帯域の割当を上りより下りの方を多くしています。


キーワード
・ADSL

キーワードの解説
  • ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line、非対称デジタル加入者線)
    一般のアナログ電話回線を用いて高速データ通信を可能にする技術で、通常の音声通信で使用しない高周波帯域を用いてデータ通信を行う。
    通常の音声通話では4kHzまでの周波数帯域を使用するが、データ通信には25kHz〜1,100kHz程度の周波数帯域を使う。(使用する周波数帯によってデータ通信速度が異なる。)
    音声通話とデータ通信の分離・混合はスプリッタが行い、データ通信の符号化・復号はADSLモデムが行う。(装置としてはスプリッタ機能を内蔵したADSLモデムが多い。)
    ADSLの特徴としては、高周波数帯域を利用することを想定していないアナログ電話線を転用しているため、伝送特性が保障されていない。また、電話局からの距離で通信速度が出なくなる。

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