次の文章は、法人顧客向けITサービス提供者のサービスデスクとサポートチームの行動である。
明らかに改善が必要なマネジメントプロセスはどれか。
ある顧客から特定の処理結果に誤りがあるのではないかというクレームがあった。
クレームを受けた担当者は緊急度が低いと判断し、インシデントとして記録した後、技術サポートチームに調査を依頼した。
技術サポートチームが調査した結果、プログラムのバグが原因と判明し、問題レコードを記録し変更要求'RFC)を提起した。
変更管理チームは変更を完了させて関係者に連絡した後、その変更をクローズした。
変更のクローズを受け、サービスデスクはクレームに対して回答するために、既知のデータベースを参照したが、処置内容が登録されていなかったので回答できなかった。
ア |
イベント管理 |
|
イ |
インシデント管理 |
ウ |
変更管理 |
|
エ |
問題管理 |
答え エ
【解説】
サービスデスクがクレームに対して回答するために、既知のデータベースを参照したが、処置内容が登録されていなかったのは、処理を行った時にデータベースに処理内容を登録しておかなかったからで、処置を行うプロセスである問題管理プロセス(エ)に問題があり、改善を行う必要があります。
改善内容としては、変更をクローズするときにデータベースに処置内容が記録されていることを確認するなどになります。
【キーワード】
・インシデント管理
・問題管理
・変更管理
【キーワードの解説】
- インシデント管理
サービス中断につながるインシデント(事故、障害)の発生から対策、解決までの流れを管理することです。
ITIL(Information Technology Infrastructure Library)では、インシデント管理で行うのは暫定的な対応までで、恒久的な問題解決は問題管理プロセスで行います。
インシデント管理の目的はシステムの復旧で、提供するサービスへの影響を最小限にすることです。
- 問題管理
発生したインシデントの根本的な対策を行うことです。
また、問題管理ではOSやソフトウェアパッケージの不具合情報を監視し、インシデントの発生の防止を行います。
- 変更管理
ソフトウェア開発において、要求仕様の変更要求についての影響を正確に把握し、計画を立てて、変更作業を行い、変更結果を確認するという作業の管理を行うことです。
システム(プロジェクト)が巨大化すると、様々な変更要求が来るので一元的な管理を行うために行います。
もっと、「問題管理」について調べてみよう。
戻る
一覧へ
次へ
|