システムの受入れテストに関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。
企業向け研修サービス会社のA社では、次の研修サービスの概要を要件とした研修申込受付システム(以下、研修システムという)の開発をソフトウェア開発業者に委託した。
A社の事務担当Bさんは、研修システムの受入れテストを担当することになった。
受入れテストには研修サービスの概要のとおり、表1に示す研修コースをテストデータとして使用する。
[研修サービスの概要] |
(1) |
研修の申込みは、顧客企業の申込責任者が取りまとめて行う。
顧客企業には、会員企業(以下、会員という)と、非会員である一般企業(以下、一般という)がある。 |
(2) |
研修代金は研修コースによって異なり、受講料とは別に、テキスト代を請求するコースとテキスト代を請求しないコースがある。 |
(3) |
開講日の翌月第1営業日に申込責任者ごとに前月の受講料とテキスト代を記載した請求明細書を作成し、研修代金として顧客企業に請求する。 |
(4) |
開講日の3営業日前(開講日を含まない)までに申込みの取消しをせずに、開講日当日に欠席をした申込者は欠席扱いとし、テキスト代は請求せず受講料を請求する。
開講日の3営業目前までに取り消した申込者は取消扱いとし、受講料及びテキスト代は請求しない。 |
(5) |
受講料には割引制度がある。
その適用条件として、次の@〜Bが設定されている。
テキスト代については割引の適用はない。
受講料の割引処理は、請求明細書の作成時に行われる。
@ |
会員の申込者は、受講料を10%割り引く。 |
A |
同じ申込者に対して、同一月に開講された複数のコースの請求がある場合、それぞれのコースの受講料を10%割り引く。 |
B |
@とAの両方に該当するときは、それぞれのコースの受講料を20%割り引く。 |
|
表1 研修コース表
研修コース名 |
開講日 |
受講料(円) |
テキスト代(円) |
コースP |
9月4日 |
10,000 |
2,000 |
コースQ |
9月17日 |
8,000 |
2,000 |
コースR |
9月25日 |
20,000 |
請求なし |
コースS |
10月2日 |
15,000 |
1,500 |
[テクノロジ]
問89 |
Bさんは、割引適用の機能に関するテストデータを準備するために、表2に示す割引適用表を作成して整理することにした。
割引適用表のaに入れる適切な記述はどれか。
ここで、割引適用表の上の2行は割引適用の条件であり、真のとき“Y”、偽のとき“N”と記述する。
同じ列にあるこつの条件の真偽の組合せとなった場合の受講料の割引率を同じ列の3行目に記述する。
表2 割引適用表
会員である |
Y |
Y |
N |
N |
同じ月で複数コースの請求がある |
Y |
N |
Y |
N |
受講料の割引率(%) |
a |
|
|
[マネジメント]
問90 |
次の研修受講状況をテストケースとして、受講料とテキスト代に関する記述として、適切なものはどれか。
[研修サービスの概要] |
(1) |
試験花子さんは会員、応用次郎さんは一般に属している。 |
(2) |
試験花子さんは、コースPとコースSを受講した。 |
(3) |
応用次郎さんは、コースQとコースRを受講した。 |
ア |
応用次郎さんのコースQの受講料は7,200円、テキスト代は1,800円である。 |
イ |
応用次郎さんのコースRの受講料は18,000円、テキスト代は請求なしである。 |
ウ |
試験花子さんのコースPの受講料は8,000円、テキスト代は2,000円である。 |
エ |
試験花子さんのコースSの受講料は15,000円、テキスト代は1,500円である。 |
|
|
[マネジメント]
問91 |
Bさんは、請求明細書が正しく作成されるかどうかを確認するために、表3に示すNo.1〜4のテストデータを用意した。
このテストデータを使って確認できることとして、次の記述(1)、(2)中のb、cに入れる適切な字句の組合せはどれか。
表3 テストデータ
No. |
申込日 / 変更日 |
会社名 |
会員 / 一般 |
請求先 申込責任者 |
申込者 |
受講 コース |
登録 / 取消 |
出席 / 欠席 |
1 |
8月4日 |
M社 |
会員 |
情報太郎 |
試験花子 |
コースP |
登録 |
出席 |
2 |
9月2日 |
M社 |
会員 |
情報太郎 |
技術太郎 |
コースQ |
登録 |
欠席 |
3 |
9月1日 |
M社 |
会員 |
情報太郎 |
試験花子 |
コースQ |
登録 |
出席 |
4 |
8月4日 |
N社 |
一般 |
基本良子 |
応用次郎 |
コースR |
登録 |
欠席 |
(1) |
No.1とNo. b のデータを使うと、会員の申込者が同一月に複数受講した場合に、受講料の割引が適用されたことを確認できる。 |
(2) |
No. c のデー夕使うと、欠席の場合にテキスト代が請求されないことを確認できる。 |
|
b |
c |
ア |
2 |
4 |
イ |
2 |
3 |
ウ |
3 |
2 |
エ |
3 |
4 |
|
|
[マネジメント]
問92 |
Bさんは、申込みの取消しと欠席の場合の請求額についてテストすることにした。
次の受入れテストケースについて、申込者に対する請求額として、適切なものはどれか。
ここで、A社は、休日以外は営業日となっており、コースは営業日に開講される。
9月のカレンダは図1のとおりである。
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
|
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
|
|
|
|
注記 網掛けをしている日が休日である。
図1 9月のカレンダ
|
|
文京花子 |
大坂幸子 |
東京三郎 |
ア |
7,200円 |
請求なし |
7,200円 |
イ |
9,200円 |
20,000円 |
10,000円 |
ウ |
9,200円 |
請求なし |
9,200円 |
エ |
請求なし |
請求なし |
9,200円 |
|
|
答え 問89 エ 問90 イ 問91 ウ 問92 ア
【解説】
問89 |
研修サービス概要の(5)の受講料の割引制度の記述から、会員であるが“Y”で、同じ月で複数コースの請求があるが“Y”の場合は20%割引、会員であるが“Y”で、同じ月で複数コースの請求があるが“N”の場合は10%割引、会員であるが“N”で、同じ月で複数コースの請求があるが“Y”の場合は10%割引、会員であるが“N”で、同じ月で複数コースの請求があるが“N”の場合は割引なしになるので、図2の割引適用表は
会員である |
Y |
Y |
N |
N |
同じ月で複数コースの請求がある |
Y |
N |
Y |
N |
受講料の割引率(%) |
20 |
10 |
10 |
0 |
(エ)になる。 |
問90 |
会員である試験花子さんは別の月に行われるコースPとコースSを受講するので、受講料がそれぞれ10%割引になり、コースPの受講料は9,000円のテキスト代は2,000円、コースSの受講料は13,500円のテキスト代は1,500円になる。
一般である応用次郎さんは同じ月に行われるコースQとコースRを受講するので、受講料がそれぞれ10%割引になり、コースQの受講料が7,200円のテキスト代は2,000円、コースRは受講料が18,000円のテキスト代は請求なし(イ)になる。 |
問91 |
(1)はNo.1のデータはコースPなので、会員である情報太郎がコースPと同じ月に行われるコースはQかRに申し込んでいるデータはNo.3(b)になる。
(2)は欠席のときのデータなのde“出席/欠席”のデータが欠席であるNo.2(c)になる。 |
問92 |
[受入れテストケース]の(3)で文京花子さんの取り消しは取り消しを行った9月12日からコースQの開講日の9月17日まで2営業日しかないので受講料は10%割引の7,200円請求される。
(4)の大坂幸子さんの取り消しは有効なので受講料の請求は発生しない。
(5)の東京三郎さんは当日欠席なので受講料は10%割引の7,200円請求される。
したがって
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文京花子 |
大坂幸子 |
東京三郎 |
ア |
7,200円 |
請求なし |
7,200円 |
(ア)になる。 |
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