平成24年 春期 基本情報技術者 午前 問13

キャッシュメモリに関する記述のうち、適切なものはどれか。

 ア  キャッシュメモリの転送ブロックの大きさを仮想記憶のページの大きさと同じにすると、プログラムの実行効率が向上する。
 イ  キャッシュメモリは高速アクセスが可能なので、汎用レジスタと同じ働きをする。
 ウ  主記憶のアクセス時間とプロセッサの命令実行時間が大きいマシンでは、多段のキャッシュ構成にすることで実効アクセス時間が短縮できる。
 エ  ミスヒットが発生するとキャッシュ全体は一括消去され、主記憶から最初のデータ転送処理が実行される。


答え ウ


解説

 ア  キャッシュメモリの転送ブロックの大きさはプロセッサごとに固定で、利用者が大きさを変更することはできません。
 イ  キャッシュメモリは高速にアクセスできますが汎用レジスタのようには使用せず、あくまで主記憶として使用します。
 ウ  プロセッサの高速化やマルチスレッドなどでアクセスするメモリの範囲が拡大したため、キャッシュメモリを複数の階層とする多段構造が増えています。
 エ  キャッシュのミスヒットが発生すると、決められたルールでキャッシュメモリの一部が消去され、主記憶からデータの転送処理が行われます。


キーワード
・キャッシュメモリ

キーワードの解説
  • キャッシュメモリ(cache memory)
    コンピュータで命令を処理するCPUは非常に高速で動作するが、処理を行うプログラムやデータを記憶している主記憶の多くはアクセス速度の遅いDRAMなので、CPUの動作から考えるととても遅く、普通にメモリアクセスを行うとメモリアクセスがボトルネックになり処理速度が出ない。
    そのため、主記憶とCPUの間に高価ではあるがアクセス速度の速いSRAMなどをキャッシュメモリとして配置し、頻繁に使用するデータやプログラムを一時的に記憶し、仮想的に主記憶へのアクセスを高速に見せる。
    アクセスする主記憶の内容がキャッシュメモリにあることをヒットという。

もっと、「キャッシュメモリ」について調べてみよう。

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