製品の製造と販売の計画に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。
電化製品を製造しているG社では、新たに開発した製品Hの発売を予定しており、その製造方法及び販売計画について検討を行っている。
製品Hの製造方法として案Aと案Bの二つの案が検討されていて、それぞれの案の固定費と変動費は表1のようになると見込んでいる。
表1 案Aと案Bの固定費と変動費の見込額
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固定費 (万円/月) |
変動費 (万円/月) |
案A |
1,400 |
6 |
案B |
2,000 |
5 |
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製品Hの月当たり製造台数と、固定費と変動費を合計した製造原価の関係は、図1のグラフのように表すことができる。
図1 製造台数と製造原価の関係
[ストラテジ]
問89 |
案Aと案Bのどちらで製品Hの製造原価が低くなるのかは、製品Hの製造台数によって異なる。
案Bの製造原価が案Aの製造原価より低くなるのは、月間製造台数が何台を超える場合か。
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[ストラテジ]
問90 |
製品Hには、社外から仕入れている部品Jが使われている。
この部品Jの仕入価格が来月から値上がりする可能性が出てきた。
部品Jが値上がりし、製造方法として案Bを採用する場合、図1の製造台数と製造原価のグラフはどのようになるか。
ここで、元の製造台数と製造原価の関係を実線で、部品Jの仕入価格が値上がりした場合の関係を破線で示す。
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[ストラテジ]
問91 |
G社は、製品Hの製造方法の案Aについて、販売計画のシミュレーションを行った。
案Aの製造方法で月間400台製造する場合、月間の売上総利益を2,000万円確保するための販売価格は最低何円にする必要があるか。
ここで、月内に製造した製品は全て月内に販売できるものとする。
ア |
135,000 |
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イ |
145,000 |
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ウ |
150,000 |
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エ |
160,000 |
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[ストラテジ]
問92 |
G社は、製品Hの製造方法の案Bについて、販売計画のシミュレーションを行った。
案Bの製造方法で[月間利益計画]を満たす最低限の台数を製造するとき、売上総利益率は何%か。
ここで、月内に製造した製品は全て月内に販売できるものとする。
[月間利益計画] |
(1) |
製品Hの販売価格は、1台10万円とする。 |
(2) |
月間の売上総利益は、2,000万円とする。 |
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答え 問89 エ 問90 ウ 問91 イ 問92 イ
【解説】
問89 |
案Aと案Bのそれぞれの製造原価の計算式は、月間製造台数をn 台とすると
- 案A
1,400万円 + 6万円/台×n 台
- 案B
2,000万円 + 5万円/台×n 台
になるので、案Bの製造原価が案Aの製造原価より低くなるのは
1,400万円 + 6万円/台×n 台≥2,000万円 + 5万円/台×n 台
n ≥600台
(エ)になります。 |
問90 |
部品Jに仕入価格が値上がりした場合、部品の価格は固定費には影響しないが変動費に関係するので、製造台数と製造原価の関係のグラフは
(ウ)になります。 |
問91 |
案Aで月間400台製造したときの製造原価は
1,400万円 + 6万円/台×400台 = 3,800万円
になり、これに売上2,000万円を確保するので、総売上高は
3,800万円 + 2,000万円 = 5,800万円
が必要になり、これを400台の販売で達成するので、1台当たりの販売額は
5,800万円÷400台 = 145,000円
(イ)になります。 |
問92 |
製品Hの販売台数をn 台とすると製造原価は
2,000万円 + 5万円/台×n 台
であり、売上総利益が2,000万円なので、総売上高は
2,000万円 + 2,000万円 + 5万円/台×n 台
で、製品Hを1台10万円で販売するので
2,000万円 + 2,000万円 + 5万円/台×n 台 = 10万円/台×n 台
n 台 = 800台
になり、総売上高は
10万円/台×800台 = 8,000万円
なので、利益率は
2000万円÷8,000万円 = 0.25 = 25%
(イ)になります。 |
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