平成27年 秋期 ネットワークスペシャリスト 午前II 問9

IPv6においてIPv4から仕様変更された内容の説明として、適切なものはどれか。

 ア  IPヘッダーのTOSフィールドを使用し、特定のクラスのパケットに対する資源予約ができるようになった。
 イ  IPヘッダーのアドレス空間が、32ビットから64ビットに拡張されている。
 ウ  IPヘッダーのチェックサムフィールドを追加し、誤り検出機能を強化している。
 エ  IPレベルのセキュリティ機能(IPsec)である認証と改ざん検出機能がサポート必須となり、パケットを暗号化したり送信元を認証したりすることができる。


答え エ


解説

 ア  IPv4のTOS(Type Of Service、サービス種別)と、IPv6はTraffic Class(優先度)は同じ機能を実現しています。
 イ  IPv6ではアドレス空間が128ビットになっています。
 ウ  IPv6では中継機器(ルータ)の負担を軽減するためヘッダーのチェックサムはなくなりました。
 エ  IPv6ではIPsecが必須になり、セキュリティが強化されました。


キーワード
・IP

キーワードの解説
  • IP(Internet Protocol)
    ISOが定めたネットワークの設計方針であるOSI基本参照モデルの第3層のネットワーク層に対応するプロトコル(通信規約)で、インターネットにおいて中心的な役割を持っている。
    現在、主に利用されているIPはIPv4であるが、IPv4の問題の解決のためIPv6が作られ、利用が始まっている。
    IPv4、IPv6のそれぞれのパケットのヘッダーは以下のようになっています。
    • IPv4(Internet Protocol version 4)
      0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
      バージョン ヘッダー長 サービス種別 全長
      識別子 フラグ 断片位置
      生存時間 プロトコル チェックサム
      送信元アドレス
      宛先アドレス
      拡張情報

      データ


    • IPv6(Internet Protocol version 6)
      0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
      バージョン 優先度 フローラベル
      ペイロード長 後継ヘッダーID ホップリミット
      送信元アドレス-1
      送信元アドレス-2
      送信元アドレス-3
      送信元アドレス-4
      宛先アドレス-1
      宛先アドレス-2
      宛先アドレス-3
      宛先アドレス-4
      拡張情報

      データ

      IPv4の最大の問題は、アドレス空間が32ビットなので、アドレスの不足が発生することです。

もっと、「IPv6」について調べてみよう。

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