売上高の損益分析に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。
部品メーカーに勤めるAさんは、材料費などの変動費と人件費などの固定費を把握し、表計算ソフトを活用して、売上高と利益を検討することにした。
1か月の売上高、変動費に固定費を加えた総費用を基に、図1に示すような売上高の損益分析を行うためのワークシートを作成した。
変動費は売上高に連動して増減する費用であり、変動費率は変動費の売上高に占める割合である。
固定費とは、売上高にかかわらず発生する一定額の費用である。
損益分岐点は売上高と総費用がちょうど等しくなる売上高であり、売上高が損益分岐点以下であれば赤字になり、それ以上になれば利益が出る。
変動費率と固定費は、それぞれセルB1、B2に入力してある。
|
A |
B |
C |
1 |
変動比率 |
0.65 |
|
2 |
固定費 |
1,850 |
|
3 |
|
|
単位 千円 |
4 |
売上高 |
総費用 |
利益 |
5 |
0 |
1,850 |
-1,850 |
6 |
1,000 |
2,500 |
-1,500 |
7 |
2,000 |
3,150 |
-1,150 |
8 |
3,000 |
3,800 |
-800 |
9 |
4,000 |
4,450 |
-450 |
10 |
5,000 |
5,100 |
-100 |
11 |
6,000 |
5,750 |
250 |
12 |
7,000 |
6,400 |
600 |
13 |
8,000 |
7,050 |
950 |
14 |
9,000 |
7,700 |
1,300 |
15 |
10,000 |
8,350 |
1,650 |
16 |
|
|
|
17 |
損益分岐点 |
5,286 |
|
|
図1 売上高の損益分析を行うためのワークシート |
[テクノロジ]
問93 |
売上高に応じた総費用を求めるために、図1のセルB5に計算式を入力して、セルB6〜B15に複写する。
セルB5に入力する計算式として、適切なものはどれか。
ア |
A5*B1+B2 |
|
イ |
A5*B1 |
ウ |
A5*B$1+B$2 |
|
エ |
A5*B$1 |
|
|
[ストラテジ]
問94 |
図1のセルB17に損益分岐点を求める計算式を入力する。
セルB17に入力する計算式として、適切なものはどれか。
ア |
B2*B1 |
|
イ |
B2*(1 - B1) |
ウ |
B2/B1 |
|
エ |
B2/(1 - B1) |
|
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[ストラテジ]
問95 |
売上高が3,000千円以上で赤字にならないようにしたい。
変動費率を0.60と仮定した場合、固定費の上限は何千円か。
ア |
1,500 |
|
イ |
1,300 |
|
ウ |
1,200 |
|
エ |
1,000 |
|
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[ストラテジ]
問96 |
先月の売上高は10,000千円あり、1,650千円の利益があった。
利益を向上させるために、今月から原材料を変更し、変動費率を0.5下げる予定である。
しかし人件費が150千円増えて、固定費が増加した。
今月の売上高が先月と同じ10,000千円のとき、利益は先月に比べて幾ら増減するか。
ア |
200千円減少する。 |
イ |
変わらない。 |
ウ |
200千円増加する。 |
エ |
350千円増加する。 |
|
|
答え 問93 ウ 問94 エ 問95 ウ 問96 エ
【解説】
問93 |
総費用を求める計算式は
売上高×変動比率 + 固定費
なので、セルB5に入れる計算式は
A5*B1+B2
になるが、これをセルB6〜B15に複写(コピー)することを考えた場合、セルB1とセルB2は複写後も参照位置が同じでないといけないので、B1はB$1、B2はB$2にする必要があり、セルB5に入れる計算式は
A5*B$1+B$2
(ウ)になります。 |
問94 |
損益分岐点を変動比率と固定費から求めるためには、変動費以外の費用の割合が固定費と同じになればいいので
固定値÷(1 - 変動比率)
になり、これをセル17に入れる形にすると
B2/(1 - B1)
(エ)になります。 |
問95 |
売上高が3,000千円で変動比率が0.60なので、変動費は
3,000千円×0.60 = 1,800
になるので、損益分岐点にするためには、固定費を売上高から変動費を引いた金額にする必要があるので、固定費は
3,000千円 - 1,800千円 = 1,200千円
(ウ)になります。 |
問96 |
変動費が0.05下がって、0.60になり、固定費は150千円増えて2,000千円になったので、売上高が10,000千円のときの利益は
売上高 - (売上高×変動比率 + 固定費)
= 10,000千円 - (10,000千円×0.60 + 2,000) = 2,000千円
であり、これは先月の利益1,650千円より350千円増加(エ)になります。 |
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