平成27年 春期 システム監査技術者 午前II 問9

個人情報取扱事業者に対する監査において、個人情報の第三者提供の観点から指摘事項に該当するものはどれか。

 ア  社員が意識不明に陥り、家族とも連絡がつかないときに、救急隊員に社員本人の個人情報を、本人の同意を得ずに渡した。
 イ  税務署の要請によって、従業員の給与振込先口座の情報を、本人の同意を得ずに提出した。
 ウ  フランチャイズの本部から加盟店に、顧客の個人情報を、本人の同意を得ずに渡した。
 エ  法令で定められた共同利用に関する事項をWebサイトに明示したうえで、プレゼントキャンペーンの応募者データを、本人の同意を得ずにグループ会社と共同利用した。


答え ウ


解説
個人情報保護法では以下のような場合、例外として本人から同意を得なくても、本人以外の者に個人情報を提供することができるとあります。

  1. 法令に基づく場合
    警察や検察等から、刑事訴訟法に基づく捜査関係事項照会があった場合
    地方公共団体や税務署による税務調査における質問や検査に対応する場合
  2. 人の生命、身体又は財産の保護に必要な場合
    大規模災害や事故等の緊急時に、患者の家族等から医療機関に対して、患者に関する情報提供依頼があった場合
    製品に重大な欠陥があるような緊急時に、メーカーから家電販売店に対して、顧客情報の提供依頼があった場合
  3. 公衆衛生・児童の健全育成に特に必要な場合
    地域がん登録事業において、地方公共団体から医療機関に対して、がんの診療情報の提供依頼があった場合
  4. 国等に協力する場合
    税務署等から事業者に対して、任意の顧客情報の提供依頼があった場合
また、個人情報の共同利用は「1つの会社が取得した個人情報を2社以上で一緒に使う」ことで、個人情報を取得するときに共同利用することをあらかじめ明示することで可能になります。


キーワード
・個人情報保護法

キーワードの解説
  • 個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)
    個人情報の取り扱いに関連する法律。情報システムの普及による情報化社会の進展により、膨大な個人情報を容易に保持・管理できるようになり、プライバシーの侵害の不安が増大し制定された。
    個人情報を所持して事業に用いている事業者は個人情報取扱事業者とされ、個人情報を漏らした場合や、主務大臣への報告義務等の適切な対処を行わなかった場合は、事業者に対して刑事罰が科される。

もっと、「個人情報保護法」について調べてみよう。

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