平成28年 秋期 ITサービスマネージャ 午前II 問9

図は、ITサービスを提供するサプライチェーン関係の例である。
JIS Q 20000-1の供給者管理プロセスにおける、サービス提供者の統括供給者に対する管理責任に関する記述のうち、適切なものはどれか。

 ア  サービス提供者は、再請負契約先供給者が統括供給者との契約上の義務を果たすよう、統括供給者が管理していることを検証する。
 イ  サービス提供者は、再請負契約先供給者の要員名簿を統括供給者に提出させた上で、統括供給者と再請負契約先供給者の関係及び契約、並びに統括供給者のパフォーマンスを検証する。
 ウ  サービス提供者は、統括供給者が再契約契約先供給者を選定するための基準及び評価方法を統括供給者に提示させた上で再請負契約先供給者を選定し、基準の達成度を検証する。
 エ  サービス提供者は、統括供給者がパフォーマンス要件を満たせたかどうかを確認するために、再請負契約先供給者のパフォーマンスを直接検証する。


答え ア


解説
JIS Q 20000-1の供給者管理プロセスには、以下のような活動と責任を定めています。

  • サービス提供者は、サービス提供者と顧客との間のSLAを支え、整合を図るため、サービスレベルについて供給者と合意しなければならない。
  • サービス提供者は、統括供給者及び再請負契約先供給者の役割、及びそれらの関係が文書化されていることを確実にしなければならない。
  • 再請負契約先供給者が契約上の義務を果たすよう、統括供給者が管理していることを、サービス提供者は検証しなければならない。
  • サービス提供者は、あらかじめ定めた間隔で供給者のパフォーマンスを監視しなければならない。パフォーマンスは、サービス目標及びその他の契約上の義務に照らして測定しなければならない。
  • 結果は記録し、不適合の原因及び改善の機会を特定するためにレビューしなければならない。
  • レビューは、契約が最新の要求事項を反映していることも確実にしなければならない。
  • 契約の変更は、変更管理プロセスによって管理しなければならない。
  • サービス提供者と供給者との間の契約上の紛争を管理するための、文書化された手順をもたなければならない。


キーワード
・JIS Q 20000

キーワードの解説
  • JIS Q 20000
    ITサービスを提供する組織のITサービスマネジメント(ITSM)が適切であるかどうかを評価するための認証基準およびガイドラインで、ISO/IEC 20000を日本語化したものです。
    2部構成で
    • JIS Q 20000-1:仕様
      ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)適合性評価制度における認証基準
    • JIS Q 20000-2:実践のための規範
      ITサービスマネジメントのプロセスのためのベストプラクティス
    となっています。

もっと、「JIS Q 20000」について調べてみよう。

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