平成29年 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト 午前II 問3

SLC(Single-Level-Cell)型と比較したとき、MLC(Multi-Level-Cell)型のフラッシュメモリの優れている点はどれか。

 ア  1セル当たりの書き換え時間が短い。
 イ  1セル当たりの記憶容量が大きい。
 ウ  書き換え可能回数が多い。
 エ  データ保持期間が長い。


答え イ


解説
従来のフラッシュメモリは1セル当たりのビット数が1ビットで、これをSLC(Single-Level-Cell)と呼ぶ、SLCのフラッシュメモリは容量を大きくするとチップのサイズが大きくなってしまうため、セルに入れる電子の数を制御し1セル当たり4段階の電圧レベルをもつ技術が開発され、このフラッシュメモリでは1セル当たりのビット数が2になり、これをMLC(Multi-Level-Cell)と呼ぶ。
なお、1セル当たり8段階の電圧レベルを制御し3ビットのデータを保持するフラッシュメモリのTLC(Triple-Level-Cell)もあります。


キーワード
・フラッシュメモリ

キーワードの解説
  • フラッシュメモリ(flash memory)
    EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)の一種で、電源を切ってもデータが消えない不揮発性のメモリで、ブロック単位での消去ができる。
    データは各ビットの値を1→0に書き変えることができる。ただし、ビット単位での0→1の書き換えはできない。(書き換えはバイト、ワード単位で行う。)
    ビットの値を1にする操作はフラッシュメモリの全部又は一部分(“セクタ”と呼ぶブロック単位)で行うことができ、1にする処理を消去と呼ぶ。
    大容量化が容易なので、SDメモリやコンパクトフラッシュ、USBメモリなどで使用されている。また、組込み系の機器(ハードディスクなどを持っていない機器:携帯電話、携帯音楽プレーヤ等)でプログラムやデータを格納する用途で使用されている。
    なお、書き換え回数に制限があり、少ないものでは10回程度、多いものでは100万回程度である。

もっと、「フラッシュメモリ」について調べてみよう。

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