平成18年 秋期 基本情報技術者 午前 問6

浮動小数点形式で表現される数値の演算において、有効けた数が大きく減少するものはどれか。

 ア  絶対値がほぼ等しく、同符号である数値の加算
 イ  絶対値がほぼ等しく、同符号である数値の減算
 ウ  絶対値の大きな数と絶対値の小さな数の加算
 エ  絶対値の大きな数と絶対値の小さな数の減算


答え イ


解説
浮動小数点は(-1)S×0.M×16Eで、Mのけた数が浮動小数点の有効けた数になるので、Mのけた数が減るような処理が『有効けた数が大きく減少する』になります。
アとイは絶対値がほぼ同じと書いてあるのでA:12345、B:12346とすると、

 ア  A+B=24691なので、けた数が変わっていません。
 イ  AB=1となり、けた数が5から1になったので有効けた数が減少しています。
ウとエは絶対値が違うのでA:12345、B:1とすると、
 ウ  A+B=12346
 エ  AB=12344
でどちらも有効けた数が変化しないことがわかります。


キーワード
・有効けた数
・浮動小数点の有効けた数

キーワードの解説
  • 有効けた数
    小数点の中には、有限のけた数で表現できないものがあります。
    例えば、円周率がそうで、3.1415926535… となっていますが、計算に時間がかかることや、コンピュータだとレジスタのサイズの問題から、一定のけた数を超えたものは四捨五入したり、切り捨てたりして扱います。
    円周率だと3.14が一般的でしょうか。(なお、NASAでは3.142を使っていると聞いたことがあります。)
  • 浮動小数点の有効けた数
    浮動小数点は(-1)S×0.M×16Eと書き、Mのけた数が浮動小数点の有効けた数になります。

もっと、「有効けた数」について調べてみよう。

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