平成18年 秋期 基本情報技術者 午前 問64

暗号方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。

 ア  共通鍵暗号方式は、多数の相手と通信の際、同一の暗号化鍵を用いても安全である。
 イ  公開鍵暗号方式では、暗号化鍵を通信相手へ秘密裏に配信する必要がある。
 ウ  公開鍵暗号方式は、共通鍵暗号方式に比べて復号処理が単純かつ高速である。
 エ  通信の開始時に共通鍵を公開鍵暗号方式で暗号化して相手に送り、データの暗号化を共通鍵暗号方式で行う方法が実用化されている。


答え エ


解説

 ア  共通鍵暗号方式で複数の通信相手と同じ鍵を使用すると暗号化をしている意味がない。共通鍵暗号方式では相手毎に鍵を変える必要がある。
 イ  公開鍵暗号方式では、公開する暗号化鍵で暗号化したデータを復号できないので、第3者経由で配布することも可能である。
 ウ  一般的に公開鍵暗号方式は、共通鍵暗号方式よりも暗号化・復号処理が複雑で、処理に時間がかかる。
 エ  共通化鍵暗号方式では鍵を秘密裏に相手に配信するかが問題であったが、それを公開鍵暗号化方式の暗号を用いて行う方法が実用化されている。(インターネットの暗号化通信のSSLが有名である。)


キーワード
・暗号化
・共通鍵暗号方式
・公開鍵暗号方式

キーワードの解説
  • 暗号化
    暗号化には暗号化・復号するアルゴリズムを秘密にする暗号方式と、アルゴリズムを公開して、暗号化するデータのほかに鍵と呼ばれるデータを使用し、この鍵を秘密にする方法がある。
    前者の暗号方式は一度アルゴリズムが知られてしまうと、使えないため、現在ではほとんど使われていない。
    後者の暗号方式は、鍵を変えることで何回でも繰り返し使用可能であり、試験に出るのはこちらである。
  • 共通鍵暗号方式
    暗号化時と復号時に同じ(共通の)鍵を使用する方法で、処理時間は一般的に高速である。
    通信で使用するときは、相手に秘密裏に鍵を配信する必要がある。
    共通鍵暗号方式には、DESやAES、FEAL、MISTYなどがある。
  • 公開鍵暗号方式
    暗号化と復号で異なる鍵を使用する方法で、暗号化鍵を知られてもその鍵では復号できないため、鍵を第3者経由で配布することが可能である。
    相手に渡す鍵を公開鍵、自分で持っている鍵を秘密鍵といい、公開鍵で暗号化したデータは秘密鍵でのみ復号でき、秘密鍵で暗号化したデータは公開鍵でのみ復号できる。
    公開鍵暗号方式には、RSAや 楕円曲線暗号 などがある。

もっと、「暗号化」について調べてみよう。

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