平成18年 春期 基本情報技術者 午前 問35

ADSLの特徴として、適切なものはどれか。

 ア  アナログ電話とデータ通信とで使用する周波数帯域を分けることによって、両者の同時利用を可能としている。
 イ  スプリッタを用いてアナログ電話とPCを同時利用する場合には、PCだけの単独利用に比べ、通信速度が低下する。
 ウ  上り(利用者から電話局への方向)と下りの通信速度が異なり、上りのデータ量が多い通信アプリケーションに適している。
 エ  複数の64kビット/秒のチャネルを束ねて伝送に用いることによって、高速通信を実現している。


答え ア


解説

 ア  ADSLの説明です。ADSLでは電話回線の音声通話で使用しない周波数帯を使ってデータ通信を行います。
 イ  ADSLでは音声通話+データ通信の場合と、データ通信のみの場合でデータ転送速度に差はありません。
 ウ  ADSLではHTTPなど下りのデータ量が多いアプリケーションに適しています。
 エ  ISDNの説明です。


キーワード
・ADSL

キーワードの解説
  • ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line、非対称デジタル加入者線)
    一般のアナログ電話回線を用いて高速データ通信を可能にする技術で、通常の音声通信で使用しない高周波帯域を用いてデータ通信を行う。
    通常の音声通話では4kHzまでの周波数帯域を使用するが、データ通信には25kHz〜1,100kHz程度の周波数帯域を使う。(使用する周波数帯によってデータ通信速度が異なる。)
    音声通話とデータ通信の分離・混合はスプリッタが行い、データ通信の符号化・復号はADSLモデムが行う。(装置としてはスプリッタ機能を内蔵したADSLモデムが多い。)
    ADSLの特徴としては、高周波数帯域を利用することを想定していないアナログ電話線を転用しているため、伝送特性が保障されていない。また、電話局からの距離で通信速度が出なくなる。

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