平成19年 秋期 ソフトウェア開発技術者 午前 問31

複数のPCで1台のプリンターを共有するシステムがある。
このプリンターに対する平均要求回数が毎分1回のとき、このプリンターの平均印刷時間(印刷を要求してから終了するまでの時間)は何秒か。
ここで、プリンターは、平均15秒の指数分布に従う時間で印刷要求を処理するものとし、プリンターに対する印刷要求はポアソン分布に従うものとする。

 ア  15  イ  18  ウ  20  エ  30


答え ウ


解説
問題の待ち行列はM/M/1なので

  • 平均要求到達時間
    Ta=60秒
  • 平均サービス時間
    Ts=15秒
  • 平均到着率(単位時間あたりの要求数)
    λ=1/Ta=1/60
  • 平均サービス率(単位時間あたりにサービスできる要求数)
    µ=1/Ts=1/15
  • 利用率
    ρ=λ/µ=Ts/Ta=15/60=0.25
  • サービス中の要求を含めた待ち行列の長さ
    L=ρ/(1-ρ)=0.25/(1-0.25)=1/3
  • 要求が待ち行列に入ってからサービスを受け始めるまでの時間
    W=Ts×L=15×1/3=5秒
  • 要求が待ち行列に入ってからサービスが完了するまでの時間
    W+Ts=5+15=20秒
(ウ)になります。


キーワード
・待ち行列理論

キーワードの解説
  • 待ち行列
    サービスを受けるために、要求が順番待ちをすることです。
    サービスを提供する側は、待ち行列が長くなりすぎないようにサービスを提供する窓口の数、サービスにかかる時間を検討する必要があります。
    要求の発生(到達)時間、サービス時間、窓口の数などで様々なモデルがありますが、要求の到達時間がポアソン分布、サービス時間が指数分布、窓口の数が1つのM/M/1モデルがよく出題されます。

もっと、「待ち行列」について調べてみよう。

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