平成19年 春期 ソフトウェア開発技術者 午前 問57

図のように16ビットのデータを4×4の正方形状に並べ、行と列にパリティを付加することによって何ビットまでの訂正できるか。
ここで、図の網掛け部分がパリティを表している。

1 0 0 0 1
0 1 1 0 0
0 0 1 0 1
1 1 0 1 1
0 0 0 1

 ア  1  イ  2  ウ  3  エ  4


答え ア


解説
パリティはデータに1ビットのパリティビットを加えて、パリティビットの値を調整して、データ+パリティビットの1の個数を偶数(または、奇数)にすることで、誤りを検出する技術です。
パリティでは1ビットの誤り検出できますが、2ビットの誤りは検出できません。また、誤りの有無はわかりますが、誤り箇所を特定することはき出ません。
この問題のように、パリティビットを行と列に付加すると、誤りを検出した場合、その行と列の交差したセルが誤っていると判断して、訂正を行うことが可能になります。

1 0 0 0 0 1
0 1 1 0 0
0 0 1 0 1
1 1 0 1 1
0 0 0 1
1行目1列目のセルに誤りがると、1行目のパリティと1列目のパリティで誤りを検出でき、交差する1行目1列目のセルのデータが誤っていることがわかります。

しかし、2ビットの誤りがあると交差するセルが、実際に誤っているセルを特定することができないため訂正はできません。
1 0 0 0 0 1
0 1 1 0 0
0 0 1 0 1 1
1 1 0 1 1
0 0 0 1
1行目1列目のセルと、3行目4列目のセルに誤りがると、1行目、3行目のパリティと、1列目、4列目のパリティで誤りが検出でき、交差するセルは1行目1列目、1行目4列目、3行目1列目、3行目4列目の4つになり、誤り箇所(セル)を特定できず、誤り訂正が行えない。
1 0 0 0 1 0 1
0 1 1 0 0
0 0 1 0 1
1 1 0 1 1
0 0 0 1
1行目1列目のセルと、1行目3列目のセルに誤りがあると、1列目と3列目のパリティで誤り検出できるが、行のパリティでは誤りを見つけられないので、誤り箇所(セル)を特定できず、誤り訂正が行えない。


キーワード
・誤り訂正

キーワードの解説
  • 誤り訂正
    データの通信や、保存で発生するデータの誤りを、検出し、訂正することです。
    通信の場合、受信したデータに誤りがあったら、送信元に再送を促すことで誤り訂正を行わなくても問題ありませんが、通信データ量が多い場合や、通信回線使用料が高い場合、通信回線のトラフィック量を考慮すると、元のデータに誤り訂正符号を付加して訂正したほうがいいことがあります。
    また、記憶メディア(ハードディスク、CD、DVDなど)に記録しているデータの場合、メディア上のデータに誤りがあった場合、読み込んだ装置で誤り訂正を行わないとデータが使用できませんので、誤り訂正を可能な形でメディアに記録します。
    誤り訂正は、元データにパリティやCRC、ハミング符号を付加して訂正が可能なようにします。(複数のハードディスクを運用する技術であるRAIDも訂正可能な記録方法を行っています。)

もっと、「誤り訂正」について調べてみよう。

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