平成20年 秋期 ソフトウェア開発技術者 午前 問19

キャッシュメモリの書込み制御方式の一つであるライトバック方式の特徴はどれか。

 ア  キャッシュメモリからデータを追い出すときに、主記憶を更新する必要がない。
 イ  キャッシュメモリのデータとそれに対応する主記憶のデータとの間で不一致が生じない。
 ウ  データを書き込むとき、キャッシュメモリにあるかどうかにかかわらず、主記憶に書き込む。
 エ  同一番地に繰り返して書き込む場合は、主記憶へのアクセス回数が少なくて済む。


答え エ


解説

 ア  キャッシュメモリの書込み制御方式のライトスルー方式(write-through)の説明です。
 イ  キャッシュメモリの書込み制御方式のライトスルー方式(write-through)の説明です。
 ウ  キャッシュメモリの書込み制御方式のライトスルー方式(write-through)の説明です。
 エ  キャッシュメモリの書込み制御方式のライトバック方式(write-back)の説明です。

ライトバック方式は、メモリの内容の書き換え時に都度主記憶にアクセスが発生しないため高速制御が可能であるというメリットがありますが、キャッシュメモリと主記憶の内容に差が生じるため、主記憶とI/O装置間でのDMAを行うときに注意が必要です。
ライトスルー方式は、容易に実現できることと主記憶とキャッシュメモリの内容に差が生じないというメリットがありますが、メモリ内容の書き換えのたびに主記憶へのアクセスが発生するので高速化としては不利です。


キーワード
・キャッシュメモリ

キーワードの解説
  • キャッシュメモリ(cache memory)
    コンピュータで命令を処理するCPUは非常に高速で動作するが、処理を行うプログラムやデータを記憶している主記憶の多くはアクセス速度の遅いDRAMなので、CPUの動作から考えるととても遅く、普通にメモリアクセスを行うとメモリアクセスがボトルネックになり処理速度が出ない。
    そのため、主記憶とCPUの間に高価ではあるがアクセス速度の速いSRAMなどをキャッシュメモリとして配置し、頻繁に使用するデータやプログラムを一時的に記憶し、仮想的に主記憶へのアクセスを高速に見せる。
    アクセスする主記憶の内容がキャッシュメモリにあることをヒットという。

もっと、「キャッシュメモリ」について調べてみよう。

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