平成21年 秋期 ITパスポート 中問B

商品の販売データの分析に関する次の記述を読んで、問93〜96に答えよ。

N社の営業部では、今年度の販売戦略立案に向けて、全エンドの商品売り上げ実績を売上総利益、商品回転率及び売上構成比率の視点で分析することにした。
ここで、商品回転率は、一定期間の売上高を平均在庫高で割った値である。
分析には表計算ソフトを用いることとし、前年度の売上に関する資料を基に図のようなワークシートを作成した。
ここで、列I、列Jの計算式は、セルA2〜H11の範囲を、列Bをキーとして降順に整列した後に入力する。

A B C D E F G H I J
1 商品名 売上高
(千円)
売上
原価
(千円)
売上
総利益
(千円)
売上
総利益率
(%)
平均
在庫高
(千円)
商品
回転率
(回)
売上
構成比率
(%)
売上構成
比率累計
(%)
ランク
2 商品あ 1,730 30.8 120 14.4 14.8

3 商品い 410 23.4 50 8.2 3.5

4 商品う 2,630 22.7 220 12.0 22.5

5 商品え 3,360 30.7 364 9.2 28.8

6 商品お 310 25.2 29 10.7 2.7

7 商品か 210 21.0 30 7.0 1.8

8 商品き 860 28.6 97 8.9 7.4

9 商品く 610 28.2 40 15.3 5.2

10 商品け 300 18.7 35 8.6 2.6

11 商品こ 1,260 22.1 90 14.0 10.8

12 合計 11,680





注 網掛け部分は、表示していない。
図 商品別販売分析ワークシート

[ストラテジ]
 問93  図のセルE2に入力されている計算式として適切なものはどれか。
ここで、計算式では百分率の処理や端数処理を行わず、セルの表示形式でパーセントを表示している。
 ア  C2/B2
 イ  D2/B2
 ウ  D12/B12*B2
 エ  D2/D12

[ストラテジ]
 問94  売上の分析に当たっては、売上総利益率と商品回転率がともに高い商品が、販売効率がよく利益が上がるの良い商品とされる。
そこで、販売効率を示す指標と売上高を視覚的に確認するために、各商品の売上高、売上総利益率及び商品回転率の関係を次のようなバブルチャートにして表した。
この図を分析した内容として、適切なものはどれか。
 ア  “商品え”は、薄利多売で利益を上げている商品であり、利益を維持するためには品切れが起こらないように商品管理に注意する必要がある。
 イ  “商品か”は、売上高は少ないが最も販売効率が良いので、現状維持でよい。
 ウ  “商品く”は、売上高は多くないが、余分な在庫が少なく、利益が大きいので、売上を増やす工夫をすれば効率よく利益の増加が図れる。
 エ  “商品こ”は、販売数量は少ないが価格の高い恒久商品であり、幅広い顧客層を維持するためには大切な商品である。

[ストラテジ]
 問95  N社では、売上構成比率を基準に商品をランク分けし、ランクに応じた仕入、販売管理の重点化を図っている。
次の条件に従い、図の商品別販売分析シートを用いて商品のランクを求めるとき、セルJ2に入力する計算式はどれか。
[条件]
(1)  セルA2〜H11の範囲を、列Bをキーとして後列に整列する。
(2)  セルI2に、セルH2の値を複写する計算式を入力する。
(3)  セルI3に、計算式I2+H3を入力し、セルI4〜I11に複写する。
(4)  ランク分けの基準は、表のとおりである。
ランク 売上構成比率累計による区分
A 上位70%以内に入る商品
B ランクAではないが上位90%に入る商品
C ランクA、ランクB以外の商品

 ア  IF(I2 ≤ 0.7, ’A’, IF(I2 ≤ 0.9, ’B’, ’C’))
 イ  IF(I2 ≤ 0.9, ’C’, IF(I2 ≤ 0.7, ’A’, ’B’))
 ウ  IF(I2 ≥ 0.7, ’A’, IF(I2 ≥ 0.9, ’B’, ’C’))
 エ  IF(I2 ≥ 0.9, ’C’, IF(I2 ≥ 0.7, ’A’, ’B’))

[ストラテジ]
 問96  今年度の販売戦略立案に当たり、売上構成比率を売上高上位の商品から順に累計した売上構成比率累計が70%以内の商品で、商品回転率が10回以下の商品を抽出し、商品回転率のカイゼンを図る重点商品としたい。
対象となる商品は何品目あるか。
 ア  1
 イ  2
 ウ  3
 エ  4


答え
 問93 イ  問94 ウ
 問95 ア  問96 ア


解説

 問93  E2に入るのは“商品あ”の売上総利益率なので計算式としては
 売上総利益÷売上高
になる。
ここで、売上総利益は列D(D2)、売上高は列B(B2)なので、E2に入る計算式は
 D2/B2
(イ)になる。
 問94
 ア  “商品え”は、売上総利益が高いので利益率の高い商品である。(薄利ではない)
また、多売というほど商品回転率は高くない。
 イ  “商品か”は、売上総利益が低く、商品回転率も低いので、今後の取り扱っていくのか検討の必要な商品である。
 ウ  “商品く”は、売上高は多くないが、総利益率が高く、商品回転率も高いので、売上高を増やす工夫をする。
 エ  “商品こ”は、売上総利益が低いので高級品ではなく、薄利多売の商品である。
 問95  J2に入るのは、I2が70%以下なら“A”、70%〜90%以下なら“C”、90%より大きいときは“C”である。
これを、表計算の式にすると、
 IF(I2 ≤ 0.7, ’A’, IF(I2 ≤ 0.9, ’B’, ’C’)) (ア)になる。
 問96  上の問題から、売上構成比率累計とランクを入れるとワークシートは下のようになり、その中で売上構成比率累計が70%で、商品回転率が10回以下なのは“商品え”の1品目(ア)である。
A B C D E F G H I J
1 商品名 売上高
(千円)
売上
原価
(千円)
売上
総利益
(千円)
売上
総利益率
(%)
平均
在庫高
(千円)
商品
回転率
(回)
売上
構成比率
(%)
売上構成
比率累計
(%)
ランク
2 商品え 3,360 30.7 364 9.2 28.8 28.8 A
3 商品う 2,630 22.7 220 12.0 22.5 51.3 A
4 商品あ 1,730 30.8 120 14.4 14.8 66.1 A
5 商品こ 1,260 22.1 90 14.0 10.8 76.9 B
6 商品き 860 28.6 97 8.9 7.4 84.3 B
7 商品く 610 28.2 40 15.3 5.2 89.5 B
8 商品い 410 23.4 50 8.2 3.5 93 C
9 商品お 310 25.2 29 10.7 2.7 95.7 C
10 商品け 300 18.7 35 8.6 2.6 98.3 C
11 商品か 210 21.0 30 7.0 1.8 100.1 C
12 合計 11,680






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