平成23年 秋期 ITパスポート 中問B
インターネットを使った商品販売システムの開発に関する次の記述を読んで、問93〜 96に答えよ。
M社は装飾品販売会社である。 M社では新たな事業として、一般消費者に対するインターネットを用いたアクセサリ販売を検討することになった。
販売企画課の入社2年目になるAさんは、このアクセサリ販売を検討するメンバーに選ばれ、インターネットで商品を販売するシステム(以下、通販システムという)の構築を担当することになった。
Aさんは通販システムの構築に当たり、実施すべきことを気づいた順にメモに書き出した。
なお、M社では、通販システムの構築はX社に委託することを決めている。
[Aさんが書き出したメモ]
(1)
アクセサリの販売を行っている従業員や、アクセサリを購入した顧客から、通販システムに対する要求や要望をヒアリングして、文書にまとめる。
(2)
委託先のX社に通販システムの要件を伝える。
その後、X社が構築した通販システム、X社が作成したプログラム設計書、及びX社が実施したテスト報告書を受領する。
(3)
通販システムに対する要求や要望を基に、通販システムで実装すべきシステム要件を文書にまとめる。
(4)
通販システムに対する要件を満たしているかの判定のために、X社から受領した通販システムのテストをM社が実施する。
結果をM社のテスト報告書にまとめる。
(5)
M社がテストした結果を基に、通販システムの妥当性の確認を行い、稼働判定を実施する。通販システムの稼働が可能と判断されれば、通販システムでの販売を開始する。
[マネジメント]
問93
[Aさんが書き出したメモ]の(1)〜(5)を実施する順番に並べたとき、aに入れる適切なものはどれか。
[マネジメント]
問94
Aさんは、[Aさんが書き出したメモ]の(3)の作業で、今回のシステム要件を文書にまとめると、どの程度のページ数になるか先輩社員に相談したところ、経験上300ページ程度になるとの回答を得た。
この300ページの文書を、次の条件において10日間で作成するためには、最低何人の作業者が必要か。
[条件]
(1)
作業者は1日当たり8ページを記述する。
全ての作業者の生産性は同じである。
(2)
作業者が複数で担当する場合は、2人ずつの打合せが毎日1回発生する。
(3)
打合せは作業者2人ずつ総当たりで行い、2人1組当たりの打合せ時間は、0. 5ページ分を記述する時間に相当する。
例えば、作業者が3人の場合、1人が他の2人に対して、れぞれ打合せが必要になるので、合わせて1ページ分の記述に相当する時間が必要となる。
したがって、この場合では作業者1人が実際に1日に記述できるページ数は7となる。
[マネジメント]
問95
Aさんは、[Aさんが書き出したメモ]の(4)の作業を、テスト1〜4とテスト報告書作成という小作業項目に分解し、それぞれの日数と依存関係を表1にまとめた。
この作業のクリティカルパスに掛かる日数は何日か。
表1 小作業項目に掛かる日数と小作業項目の依存関係
小作業項目
日数
先行する小作業項目
テスト1
3
なし
テスト2
4
テスト1
テスト3
2
なし
テスト4
5
テスト1、テスト3
テスト報告書作成
2
テスト2、テスト4
[マネジメント]
問96
M社では、通販システムを稼働させる前に、[Aさんが書き出したメモ]の(5)で、稼働の可否を判断する稼働判定会議を実施することにしている。
そこで、Aさんはこの会議に必要な文書を用意することにした。
次の記述中の b 、 c に入れる適切な文書記号の組合せはどれか。
なお、[Aさんが書き出したメモ]の(1)〜(4)では、既に表2に示す文書が作成されている。
通販システムの稼働判定は、 b の結果を基に実施する。
また、 b に記載された内容の過不足の確認は、 c を参照し、判定する。
表2 作成された文書
Aさんが書きだしたメモ
作成された文書
文書番号
(1)
従業員や顧客からヒアリングした要求や要望をまとめた文書
@
(2)
X社のプログラム設計書
A
X社のテスト報告書
B
(3)
実装すべきシステム要件をまとめた文書
C
(4)
M社のテスト報告書
D
b
c
ア
B
@
イ
B
C
ウ
D
A
エ
D
C
答え
問93 ウ 問94 イ
問95 エ 問96 エ
【解説 】
問93
Aさんが書き出したメモの(1)〜(5)を実施する順番に並びかえると
(1) → (3) → (2) → (4) → (5)
になり、aに入るのは(3) (ウ)になる。
問94
複数人数で作業したとき、打合せは作業者の総当たりになし、1回の打合せで文章作成の0. 5ページ分の時間がかかるので、1日当たりの文書作成は、2人の場合は1人7. 5ページでトータルで15ページ、3人の場合は1人7ページでトータルで21ページ、4人の場合は1人6. 5ページでトータルで26ページ、5人の場合は1人6ページでトータルで30ページ、6人の場合は1人5. 5ページでトータルで33ページ…、になり、10日間で300ページの文書を作成するのは5人 (イ)の作業者が必要である。
問95
テスト1〜テスト4とテスト報告書作成の各作業をアローダイアグラム(PERT図)にすると
になり、もっとも作業の日数がかかる作業の順は“テスト1 → テスト4 → テスト報告書作成”で、これに掛かる日数は10日 (エ)である。
問96
稼働判定はM社で実施したテストの結果に基づいて行う必要があるので、 b にはDの『M社のテスト報告書』が入る。
また、 c のテスト報告書で確認できないものはCの『実装すべきシステム要件をまとめた文書』で判断を行う。
※稼働判定にベンダーであるX社のテスト報告書は使用しません。
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