平成24年 春期 ITパスポート 中問A

事務機の機種選定方法に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

Fさんは、次の選定要件に従って、部内で使用する事務機の機種を選定するための検討資料を作成するよう上司から指示された。

[選定条件]
 (1)  類似する4機種(機種A〜D)の中からいずれか1機種を選定する。
 (2)  評価項目は、価格、性能、サービスの三つとする。
評価項目には、いずれを重視するかによって1〜5の重みを付ける。
 (3)  機種ごとに評価項目の評価値を決める。
評価値は1〜9のいずれかである。
 (4)  評価項目の重みと評価値から総合評価値を計算し、総合評価値の最も大きい機種を選定する。

Fさんは、表1の評価表を作って検討することにした。
このとき、機種Aの総合評価値は次式で計算する。
機種B〜Dについても同様である。

  機種Aの総合評価値 = w1×a1 + w2×a2 + w3×a3

なお、記号の意味は次のとおりである。
w1〜w3:価格、性能、サービスのそれぞれの評価項目の重み
a1〜a3:機種Aの価格、性能、サービスのそれぞれの評価値

表1 評価表
評価項目 重み 機種A 機種B 機種C 機種D
価格 W1 a1 b1 c1 d1
性能 w2 a2 b2 c2 d2
サービス w3 a3 b3 c3 d3

[ストラテジ]
 問85  Fさんは、上司から、評価項目の重みは、価格と性能を同じとし、サービスよりも性能を重視して付けるように指示を受けた。
Fさんは、この指示を受け、評価項目の重みを相対的に比較するために、次の表2を作成した。
この表2の条件を満たす評価項目の重みの付け方として、適切なものはどれか。
表2 評価項目の相対的な比較
評価項目 比較 評価項目
価格 = 性能
価格 > サービス
性能 > サービス

価格 性能 サービス
1 1 2
1 2 2
3 3 1
4 3 3

[テクノロジ]
 問86  上司から評価値を付けるように指示を受けたFさんは、評価値の決定に先立って、価格、性能、サービスのそれぞれについて、機種A〜Dの2機種ごとに、全ての組合せで優劣を比較した。
その結果を次の表3に示す。
表の1行は1回の比較を行った結果を示している。
表を完成させるために必要な比較回数は何回か。
表3 機種A〜Dの2機種ごとの全ての組合せの優劣較
評価項目 機種 比較 機種
価格 機種A = 機種B
機種A > 機種C
性能
サービス

 ア  6
 イ  9
 ウ  18
 エ  32

[ストラテジ]
 問87  Fさんは、価格、性能、サービスのそれぞれについて、機種A〜Dの2機種ごとに、全ての組合せで優劣を比較し、表4の相対比較表を作成した。
Fさんは、完成した相対比較表を基に、評価表の評価値を検討することにした。
機種Aと他の機種の性能に関する比較結果が表4の相対比較表のようになったとき、表5の評価表案のaに入る評価値が取り得る値の並びとして、適切なものはどれか。
表4 相対比較表
評価項目 機種 比較 機種
価格
性能 機種A > 機種B
機種A > 機種C
機種A < 機種D
サービス

表5 評価表案
評価項目 重み 機種A 機種B 機種C 機種D
価格




性能
  a   3 3 6
サービス




注記 網掛けの部分は、表示していない。

 ア  1、2
 イ  3、4、5、6
 ウ  4、5
 エ  7、8、9

[ストラテジ]
 問88  Fさんは、作成した評価表案の評価値を上司に見直してもらい、最終的に次の表6の評価表を使って検討資料を作成した。
このとき、選定要件に従って選定される機種はどれか。
表6 評価表
評価項目 重み 機種A 機種B 機種C 機種D
価格 2 7 7 5 5
性能 2 6 3 3 7
サービス 1 5 7 8 4

 ア  機種A
 イ  機種B
 ウ  機種C
 エ  機種D


答え
 問85 ウ 問86 ウ
 問87 ウ 問88 ア


解説

 問85 表2から価格と評価の値が同じで、サービスより大きい値なのは
価格 性能 サービス
3 3 1
になる。
 問86  4機種から任意の2機種を選んで比較を行うので、その組合せの数は
 4C2 = 4×3÷2 = 6
であり、これを“価格”、“性能”、“サービス”の3項目に対して行うので、その回数は
 6×3 = 18
(ウ)になる。
 問87  機種Aの値は機種B、機種Cの値3より大きく、機種Dの値6より小さいので、取り得る値は4、5(ウ)である。
 問88  評価表から総合評価値を計算すると
表6 評価表
評価項目 重み 機種A 機種B 機種C 機種D
価格 2 7 7 5 5
性能 2 6 3 3 7
サービス 1 5 7 8 4
総合評価値 31 27 24 28
になり、総合評価値のもっとも大きい機種A(ア)が選定される。


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