平成24年 春期 ITパスポート 中問C
提案依頼書(以下、RFPという)の作成に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。
商事会社のP社は、事務所が複数のビルに点在している。
そこで、業務効率の向上を目的として、事務所を1か所に統合することになった。
このために事務所統合プロジェクトが発足し、総務部のAさんがプロジェクトリーダーになった。
入社2年目のBさんは、Aさんの指導の下で、複数ある会議室の予約に用いる会議室予約システム(以下、予約システムという)の導入責任者になった。
Bさんは、会議室の予約に関する要件をまとめた。
[会議室の予約に関する要件] |
(1) |
P社には、営業部、総務部、経理部、情報システム部など、複数の部署があり、これまで部署ごとに会議室を設けていた。
統合後は会議室を複数の部署で共有して使用する。 |
(2) |
会議室には、一般用会議室と来賓用会議室がある。 |
(3) |
一般用会議室は、全従業員が予約できる。 |
(4) |
来費用会議室は、従業員の役職で予約の可否を判定する。
判定基準は、現在決まっていない。 |
事務所統合プロジェクトでは、予約システムのRFPを作成することになった。
BさんはAさんからこのRFPの作成を指示され、作成者、掲載事項、提出先などについて説明を受けた。
[ストラテジ]
問93 |
予約システムのRFPの説明として、適切なものはどれか。
ア |
P社にとって最適な予約システムの提案を受けるために、予約業務に必要な要件を、正確に伝えるために作成する文書 |
イ |
P杜にとって最適な予約の業務フローの提案を受けるために、予約業務に必要な最小限の要件を記述する文書 |
ウ |
予約システムに必要な部屋の予約業務だけではなく、来客者登録など依頼していないシステムの提案も引き出すために使用する文書 |
エ |
予約システムの提案書の内容が、予約業務に必要な要件を満たしているか確認するために、審査を依頼する文書 |
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[ストラテジ]
問94 |
事務所統合プロジェクトのメンバーは、次のとおりである。
このとき、予約システムのRFPの作成者に関する記述として、最も適切なものはどれか。
[事務所統合プロジェクトのメンバー] |
事務所統合のプロジェクトリーダー |
: Aさん |
予約システムの導入責任者 |
: Bさん |
プロジェクトメンバー |
: C、D、Eさん |
情報システム部の支援者 |
: Fさん |
会議室の施工業者の担当者 |
: Gさん |
ア |
Bさんが作成し、C、D、E、Fさんは作成を支援する。 |
イ |
C、D、Eさんのいずれかが作成し、Fさんは作成を支援する。 |
ウ |
Fさんが作成し、Gさんは作成を支援する。 |
エ |
Gさんが作成する。 |
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[マネジメント]
問95 |
予約システムのRFPに記載する内容の説明として、適切でないものはどれか。
ア |
一般用会議室は、全従業員が予約できることを記述する。 |
イ |
営業部、総務部、経理部、情報システム部など、複数の部署が、会議室を共有して使用することを記述する。 |
ウ |
予約システムの納期や稼働日は記述するが、会議室の内装や什器搬入の日程は記述しない。 |
エ |
来賓用会議室の予約可否の判定基準は決まっていないので、一般用会議室とは基準が異なることは記述しない。 |
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[ストラテジ]
問96 |
Bさんは、予約システムのRFPの提示先として候補となっている複数の会社に対して、保有技術や実績を調べた結果、次の会社が候補として残った。実際にRFPを提示する会社として、適切なものはどれか。
(1) |
現在、情報システム部がシステム開発を委託しているX社 |
(2) |
過去に、総務部がシステム開発を委託したことのあるY杜 |
(3) |
会議室予約システムの開発経験をもつZ社 |
ア |
X社 |
イ |
Y社 |
ウ |
Z社 |
エ |
X、Y、Z社全て |
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答え
問93 ア 問94 ア
問95 エ 問96 エ
【解説】
問93 |
RFP(Request For Proposal)は複数のベンダーから委託先を決めるために具体的な提案を出してもらうのが目的なので、P社にとって最適な予約システムの提案を受けるために、予約業務に必要な要件を、正確に伝えるために作成する文書(ア)であることが必要です。 |
問94 |
RFPの作成は委託する開発する予約システムの責任者であるBさんが作成し、それをプロジェクトのメンバーであるC、D、Eさんと情報システムの専門家であるFさんが支援(ア)します。 |
問95 |
RFPでベンダーが提出する提案内容には開発期間や開発工数などの見積り情報もあるため、RFPにはっきり決まっていない内容であってもそれをベンダーに伝えに見積りの考慮をしてもらう必要があります。
また、はっきり決まっていない内容について、ベンダーからの提案を受けることも可能なので、来賓用会議室の予約可否の判定基準は決まっていないので、一般用会議室とは基準が異なることは記述する(エ)必要があります。 |
問96 |
RFPでは多くのベンダーから、様々な提案を出してもらいそれを比較することが目的なので候補となっているすべての会社であるX、Y、Z社すべて(エ)にRFPを提示します。 |
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