平成26年 秋期 ITパスポート 中問C

テストの採点結果の分析に関する次の記述を読んで、四つの問いに答えよ。

F教育機関では、P、Q、R、S、T、Uの六つの組がある。各組の受講生数は、P、Q組が35名、R組が25名、S、T、U組が30名である。
このたび、6組共通のテストを行い、採点結果の分析を行うことになった。

[テストの採点結果の分析の概要]
(1) テストの問題数は10問で、1問を1点として、10点満点である。
(2) 図1は、テストの採点結果入力のワークシートである。ワークシートのセルB2〜B36には、P組の受講生の得点を入力する。
同様に、ワークシートの列C〜Gに、それぞれQ〜U組の得点を入力する。

A B C D E F G
1
P組 Q組 R組 S組 T組 U組
2
6 8 7 7 6 5
3
5 5 5 8 7 4

36
6 4



図1 テストの採点結果入力ワークシート
(3) 標準偏差は、得点のばらつきの度合いを表す指標である。
受講生数がそれぞれ100人で、得点が1〜4点に分布する表1の分布例1〜5とその平均点及び標準偏差を例にとると、分布例1や分布例2のように、全員が同じ得点だった場合は、平均点に対して全く得点のばらつきがないことから標準偏差は0になる。
また、分布例3〜5のように、平均点が同じでも、得点のばらつきが大きいほど、標準偏差は大きくなる。
表1 分布例1〜5とその平均点及び標準偏差
得点 分布例1 分布例2 分布例3 分布例4 分布例5
1 0 0 0 10 20
2 100 0 50 40 30
3 0 0 50 40 30
4 0 100 0 10 20
平均点 2.0 4.0 2.5 2.5 2.5
標準偏差 0.000 0.000 0.500 0.806 1.025

[テクノロジ]
 問93  図2のテストの採点結果入力のワークシートに、組別の得点分布表を作成するために、セルB40に計算式を入力してセルB40〜G50に複写する。セルB40に入れる適切な式はどれか。
[ワークシートの説明]
(1) セルA40〜A50には、得点を示す数値として、それぞれの0〜10を入力する。
(2) セルB40〜B50には、P組の0〜10点の人数を、それぞれ表示する式を入力する。
(3) 同様にセルC40〜C50にはQ組、セルD40〜D50にはR組、セルE40〜E50にはS組、セルF40〜F50にはT組、セルG40〜G50にはU組の得点別人数を表示する式を入力する。

A B C D E F G
1
P組 Q組 R組 S組 T組 U組

40 0





41 1





42 2











50 10





注記 網掛けの部分は、表示してしない。
図2 テストの採点結果入力のワークシート
 ア  条件付個数(B$2〜B$36, =A$40)
 イ  条件付個数(B$2〜B$36, =$A40)
 ウ  条件付個数($B2〜$B36, =A$40)
 エ  条件付個数($B2〜$B36, =$A40)

[テクノロジ]
 問94  図3のテストの採点結果入力のワークシートのセルH53に、全受講生のテストの平均点を表示したい。
正しく平均点を求めることができないものはどれか。
[ワークシートの説明]
(1) セルB52〜G52に、P〜U組の受講生数をそれぞれ入力する。
(2) セルH52に、式“合計(B52〜G52)”を入力する。
(3) セルB53に、式“平均(B2〜B36)”を入力し、セルC53〜G53に複写する。

A B C D E F G H
1
P組 Q組 R組 S組 T組 U組


52 受講生数






53 平均点






54







注記 網掛けの部分は、表示してしない。
図3 テストの採点結果入力のワークシート
 ア  セルB54に、式“B52∗B53”を入力し、セルC54〜G54に複写する。
次にセルH54に式“合計(B54〜G54)”を入力する。
最後に、セルH53に式“H54/H52”を入力する。
 イ  セルH53に、式“合計(B2〜G36)/H52”を入力する。
 ウ  セルH53に、式“平均(B2〜G36)”を入力する。
 エ  セルH53に、式“平均(B53〜G53)”を入力する。

[テクノロジ]
 問95  T組とU組の得点分布は、図4のとおりであった。
この二つの組の平均点と標準偏差に関する記述として、適切なものはどれか。
 ア  平均点は同じであるが、標準偏差は異なる。
 イ  平均点は異なるが、標準偏差は同じである。
 ウ  平均点も、標準偏差も同じである。
 エ  平均点も、標準偏差も異なる。

[テクノロジ]
 問96  P〜S組の平均点と標準偏差は、表2のとおりであった。
この四つの組の中で、他の組に比べて成績が良くも悪くもなく、また、多くの受講生がその組の平均点に近い得点をとった組があった。
その組では、得点が4〜6点だった受講生の割合が他の組に比べて最も多かった。
その組はどれか。
表2 P〜S組の平均点と標準偏差
P組 Q組 R組 S組
平均点 5.40 4.40 5.00 5.00
標準偏差 2.89 2.07 1.02 2.07
 ア  P
 イ  Q
 ウ  R
 エ  S


答え 問93 イ 問94 エ 問95 イ 問96 ウ


解説

 問93  範囲を示すB2〜B36は、コピーして列の情報は変わるが、行の情報は変わってはいけないので、“B$2〜B$36”になる。
また、条件を示すA40は、コピーして行の情報は変わるが、列の情報は変わってはいけないので、“$A406”になる。
したがって、B40に入れる条件式は条件付個数(B$2〜B$36, =$A40)(イ)になる。
 問94  組によって生徒数が異なるため、B2〜B36には点数の入っていないセルもある。
そのため、セルH53に、式“平均(B2〜G36)”を入力(ウ)しても、全体の平均点を求めることはできない。
 問95  分布の山の形が左右逆であるので、標準偏差は同じである。が、平均点は0点の人数からT組のほうが高い。
 問96  標準偏差が小さいと平均点付近の得点者が多くなるので、標準偏差が小さく、平均点が4〜6の中間であるR組(ウ)が、得点が4〜6点だった受講生の割合が他の組に比べて最も多い。


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