2021年 春期 ネットワークスペシャリスト 午前II 問23

プリントシステムには1時間当たり平均6個のファイルのプリント要求がある。 1個のプリント要求で送られてくるファイルの大きさは平均7,500バイトである。 プリントシステムは1秒間に50バイト分印字できる。 プリント要求後プリントが終了するまでの平均時間は何秒か。 ここで、このシステムはM/M/1の待ち行列モデルに従うものとする。

 ア  150  イ  175  ウ  200  エ  225


答え ウ


解説
M/M/1の待ち行列モデル(サービスを受ける人はポアソン分布の間隔で到着、サービス時間は指数分布、サービス窓口は1つ)での、待ち時間Tw を求める式は、サービス時間をTs 、処理装置の利用率をρとすると
 Tw = (ρ×Ts )÷(1 - ρ)
である。
サービス時間のTs はファイルの大きさの平均が7,500バイトで、プリントシステムは1秒間に50バイト分印字できるので
 Ts = 7,500バイト÷50バイト/秒 = 150秒
である。
また、1時間当たり6個のファイルのプリント要求があるので、平均到着時間のTa
 Ta = 1時間÷6個 = 600秒/個
になり、利用率ρは
 ρ = Ts ÷Ta = 150秒÷600秒/個 = 0.25
になるので、待ち時間Tw
 Tw = (ρ×Ts )÷(1 - ρ) = (0.25×150秒)÷(1 - 0.25) = 50秒
となり、プリント要求後プリントが終了するまでの平均時間は、待ち時間と印字を開始してから完了するまでの時間の和なので
 150秒 + 50秒 = 200秒
(ウ)になる。


キーワード
・待ち行列

キーワードの解説
  • 待ち行列
    サービスを受ける人などが、順番待ちの列を作ることです。
    待ち行列モデルでは、サービスを受ける人が新たに来る間隔や、サービス時間、サービスを提供する窓口の数によりモデル化します。
    待ち行列モデルでは、待ち行列の長さに制限がない、待ち行列に並んだ人はサービスが完了するまで並び続ける、並んでいる人に優先順位はないなどの制限があります。

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