2022年 秋期 エンベデッドシステムスペシャリスト 午前 問14

内蔵ROM又は外部ROMに置いたプログラムを実行できるMPUがある。 このMPUのバス幅、アクセスサイクル、クロック周波数の仕様を示す。 このMPUで、外部ROMに置かれたある命令を実行したところ、処理時間は1マイクロ秒だった。 同じ命令を内蔵ROMにおいて処理した場合、処理は何ナノ秒か。 ここで、この命令はバスアクセス時間内に実行が完了し、命令は4バイトバウンダリで配置されているものとする。

項目 内蔵ROM 外部ROM
バス幅(ビット) 32 8
アクセスサイクル(クロック) 2 4
クロック周波数(MHz) 16 16

 ア  62.5  イ  125  ウ  250  エ  500


答え イ


解説
内蔵ROMと外部ROMのバス幅が32ビットと8ビットなので4バイト(32ビット)のデータを読みだすとき、内蔵ROMは外部ROMの1/4の回数で処理できる。
また、アクセスサイクルが2クロックと4クロックなのでデータの読み出しにかかる時間は、内蔵ROMは外部ROMの1/2の時間になる。
(クロック周波数は両方とも16MHzなので処理時間に差は生じない。)
したがって、内蔵ROMは外部ROMの4×2 = 8倍の時間でメモリの読み込みが行えるので、外部ROMで1マイクロ秒かかっていた処理は
 1マイクロ秒÷8 = 0.125マイクロ秒 = 125ナノ秒
(イ)で行える。


キーワード
・アクセスサイクル
・バウンダリ

キーワードの解説
  • アクセスサイクル(access cycle)
    バスや通信路における通信の際に、通信相手との間でデータや命令のやり取りを行なうのに必要な一連の手順です。
  • バウンダリ(boundary)
    データを置くメモリ上の番地(アドレス)を、このデータ長の整数倍に揃えることで効率よくアクセスできるようにすることをアライメント(alignment)と言い、メモリ上に設定されたデータ配置の境界をバウンダリといいます。
    4バイトバウンダリの場合、格納するデータの長さ(サイズ)に関わらず、4の倍数の番地を先頭としてデータの配置をします。

もっと、「バウンダリ」について調べてみよう。

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