EVMを使用してマネジメントをしているプロジェクトで、進捗関する指標値は次のとおりであった。
このプロジェクトに対する適切な評価と対策はどれか。
[進捗関する指標値]
CPI(コスト効率指標):0.9
SPI(スケジュール効率指標):1.1
BAC(完成時総予算)に基づくTCPI(残作業効率指標):1.2
ア |
コストは予算を超えているが、スケジュールには余裕があり、残作業のコスト効率を計画よりも上げる必要はないので、CPIに基づいて完成までに必要なコストを予測する。 |
イ |
コストが予算を超えているので、完成時総予算を超過するおそれがあるが、スケジュールには余裕があるので、残作業のコスト効率を上げる対策を検討するか、コンティンジェンシー予備費の使用を検討する。 |
ウ |
コストには余裕があるが、スケジュールが予定より遅れており、残作業残す炉効率を計画よりも上げる必要があるので、ファストトラッキングなどを用いたスケジュール短縮を検討するとともに、コンティジェンシー予備費の使用を検討する。 |
エ |
コストには余裕があるので、残作業のコスト効率を計画より上げる必要はないが、スケジュールが予定より遅れているので、クラッシングなどを道いたスケジュール短縮を検討する。 |
答え イ
【解説】
CPI(Cost Performance Index、コスト効率指標)の計算式は、EV(Earned Value、その時点で完了した作業の価値)÷AC(Actual Cost、実コスト)で、1未満はコスト超過になります。
SPI(Schedule Performance Index、スケジュール効率指標)の計算式は、EV÷PV(Planned Value、計画時に予定したコスト)で、1以上はスケジュールに余裕があることになります。
BAC(Budget at Completion、完成時総予算)に基づくTCPI(To-Complete Performance Index、残作業効率指標)の計算式は、TCPI(BAC) = (BAC - EV)÷(BAC - AC)で、1以上は残りの作業はパフォーマンスを上げる必要があることを示しています。
したがって、このプロジェクトに対する適切な評価と対策はコストが予算を超えているので、完成時総予算を超過するおそれがあるが、スケジュールには余裕があるので、残作業のコスト効率を上げる対策を検討するか、コンティンジェンシー予備費の使用を検討する(イ)です。
(コンティンジェンシー予備はプロジェクトで設けられる資金、期間のうちあらかじめ特定されたリスクが発生した場合に対処するために見積もられた予備の資金や期間のことです。)
【キーワード】
・EVM
【キーワードの解説】
- EVM(Earned Value Management)
プロジェクトの進捗を定量的(金銭的)に評価するマネジメント管理の方法です。
予定と現在の進捗状況を金額に換算(定量化)し、進捗状況を把握します。
もっと、「EVM」について調べてみよう。
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