仮想記憶システムにおいて、ページ置換えアルゴリズムとしてFIFOを採用して、仮想ページ参照列1, 4, 2, 4, 1, 3を3ページ枠の実記憶に割り当てて処理を行った。
表の割当てステップ“3”までは、仮想ページ参照列中の最初の1, 4, 2をそれぞれ実記憶に割り当てた直後の実記憶ページの状態を示している。
残りのすべてを参照した後の実記憶ページの状態を示す太枠部分に該当するのはどれか。
割当て ステップ |
参照する 仮想ページ番号 |
実記憶ページの状態 |
1 |
1 |
1 |
− |
− |
2 |
4 |
1 |
4 |
− |
3 |
2 |
1 |
4 |
2 |
4 |
4 |
|
|
|
5 |
1 |
|
|
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6 |
3 |
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答え ウ
【解説】
問題の仮想記憶システムはFIFOなので、全てのページが割当てられた状態で、新しいページを読み込むときは、一番最初に割当てられたページと入れ替えることになる。
例えば、1, 2, 3, 4の順で割当てを行うと、4を割当てるときは最初に割当てを行った1のところに4が割当てられる。
問題のステップ4から1つずつ状態を確認すると、
ステップ4では参照する仮想ページは4で、これは実記憶ページにあるので、新たなページ割当ては発生しない。
ステップ5では参照する仮想ページは1で、これも実記憶ページにあるので、新たなページ割当ては発生しない。
ステップ6では参照する仮想ページは3で、これは実記憶ページにないので、最初に割当てられた1と入れ替えが行われる。
割当て ステップ |
参照する 仮想ページ番号 |
実記憶ページの状態 |
1 |
1 |
1 |
− |
− |
2 |
4 |
1 |
4 |
− |
3 |
2 |
1 |
4 |
2 |
4 |
4 |
1 |
4 |
2 |
5 |
1 |
1 |
4 |
2 |
6 |
3 |
1 → 3 |
4 |
2 |
【キーワード】
・仮想記憶
・ページ
・FIFO
【キーワードの解説】
- 仮想記憶
コンピュータのメモリ管理方法の一つで、不連続なメモリ領域を連続した領域に見せかけるもの。
また、コンピュータに実装されている主記憶よりも大きな記憶領域を仮想的に扱うことができる。
- ページ
主記憶装置のデータを小さな単位に分割して割当てを行う方法をページングと呼び、仮想記憶のベースとなる技術であり、分割した小さな単位をページと呼ぶ。
- FIFO(First-In First-Out)
処理を到着した順序に処理を行っていく方式のことで、先入れ先出し方式とも言う。
キュー(queue)の動作を表し、最初に入ってきたものを最初に取り出して処理を行う。
FIFOの逆に最後に入ってきたものを最初に取り出して処理する方式をLIFO(Last-In First-Out)やFILO(First-In Last-Out)と呼ぶ。
LIFO(FILO)はスタックの動作を表している。
もっと、「仮想記憶」について調べてみよう。
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