平成21年 秋期 応用情報技術者 午前 問38

公開鍵暗号方式を用いて送信者が文書にデジタル署名を行う場合、文書が間違いなく送信者のものであることを受信者が確認できるものはどれか。

 ア  送信者は自分の公開鍵を使用して署名処理を行い、受信者は自分の秘密鍵を使用して検証処理を行う。
 イ  送信者は自分の秘密鍵を使用して署名処理を行い、受信者は送信者の公開鍵を使用して検証処理を行う。
 ウ  送信者は受信者の公開鍵を使用して署名処理を行い、受信者は自分の秘密鍵を使用して検証処理を行う。
 エ  送信者は受信者の秘密鍵を使用して署名処理を行い、受信者は自分の公開鍵を使用して検証処理を行う。


答え イ


解説
デジタル署名は以下の順で処理を行います。

  1. 送信者はハッシュ関数を使用して送信する文書のハッシュ値を求める。
  2. 送信者は求めたハッシュ値を自身の秘密鍵で暗号化してデジタル署名を作成する。
  3. 送信者は文書データとデジタル署名(暗号化したハッシュ値)を送信する。
  4. 受信者は受信したデジタル署名を送信者の公開鍵で復号し、ハッシュ値を求める。
  5. 受信者はハッシュ関数を使用して受信した文書のハッシュ値を求める。
  6. 受信者は2つのハッシュ値を比較し、一致すれば正しい文書であると判断する。
    なお、不一致の場合は、送信者がなりすましているか、文書が改ざんされていることが考えられる。


キーワード
・デジタル署名

キーワードの解説
  • デジタル署名
    通常、我々は正式な文章を書くときには、文書に自筆の署名をしたり、捺印を押している。
    しかし、デジタル文書では署名も捺印もできないため、文書が正式なことを保証するための手段としてデジタル署名を用いる。
    デジタル署名はハッシュ関数と公開鍵暗号方式を用いて、以下の手順で行う。
    1. 送信する文書のハッシュ値を求め、自分の秘密鍵で暗号化してデジタル署名とする。
    2. データとデジタル署名を相手に送信する。
    3. 受信側は受信したデータからハッシュを求め、デジタル署名を相手の公開鍵で復号した結果が一致するかどうかでデジタル署名の確認を行う。

もっと、「デジタル署名」について調べてみよう。

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