平成22年 秋期 ITストラテジスト 午前II 問11

市場で競合する二つの銘柄A、B間の推移確率行列は表のとおりである。
例えば、今回Aを購入した人が次回にBを購入する確率は20%である。
AとBの市場シェアが、それぞれ50%であるとき、全員が2回購入した後の市場シェアはどうなるか。

次回
A B
今回 A 0.8 0.2
B 0.4 0.6

 ア  Aのシェアは10%上がり、Bのシェアは10%下がる。
 イ  Aのシェアは10%下がり、Bのシェアは10%上がる。
 ウ  Aのシェアは14%上がり、Bのシェアは14%下がる。
 エ  Aのシェアは14%下がり、Bのシェアは14%上がる。


答え ウ


解説
それぞれの購買パターンの確率を求める。

  • A→A→A
    0.5×0.8×0.8 = 0.32
  • A→B→A
    0.5×0.2×0.4 = 0.04
  • B→A→A
    0.5×0.4×0.8 = 0.16
  • B→B→A
    0.5×0.6×0.4 = 0.12
  • A→A→B
    0.5×0.8×0.2 = 0.08
  • A→B→B
    0.5×0.2×0.6 = 0.06
  • B→A→B
    0.5×0.4×0.2 = 0.04
  • B→B→B
    0.5×0.6×0.6 = 0.18
したがって、2回購入でAを買った人の割合は0.64(64%)、Bを買った人の割合は0.36(36%)なのでAのシェアは14%上がり、Bのシェアは14%下がる(ウ)である。


キーワード
・マルコフ過程

キーワードの解説
  • マルコフ過程
    マルコフ過程とは、未来の状態が現在の状態にのみで決定され、過去の状態には影響されない性質を持つ確率過程である。
    通常、マルコフ過程で表される分布は推移確率行列になります。

もっと、「マルコフ過程」について調べてみよう。

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