図に示す構成で、表のようにキャッシュメモリと主記憶のアクセス時間だけが異なり、その他の条件が同じ2種類のCPU XとYがある。
あるプログラムをCPU XとYでそれぞれ実行したところ、両者の処理時間が等しいことがわかった。
このとき、キャッシュメモリのヒット率は幾らか。
ここで、CPU処理以外の影響はないものとする。
図 構成 |
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表 アクセス時間(単位 ナノ秒)
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CPU X |
CPU Y |
キャッシュメモリ |
40 |
20 |
主記憶 |
400 |
580 |
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ア |
0.75 |
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イ |
0.90 |
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ウ |
0.95 |
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エ |
0.96 |
答え イ
【解説】
この問題はキャッシュヒット率から実際のメモリアクセス時間を求める式を知っているかどうかで答えが求められるかが決まります。
キャッシュヒット率:r 、キャッシュメモリアクセス時間:C、主記憶アクセス時間:Mとすると、キャッシュを考慮したメモリアクセス時間は C×r +M×(1-r ) になる。
この問題ではCPU XとYでメモリアクセス時間が同じということから、
- CPU X
C×r +M×(1-r )=40×r +400×(1-r )
- CPU Y
C×r +M×(1-r )=20×r +580×(1-r )
この、2つの式が等しいので、
40× r +400×(1- r )=20× r +580×(1- r )
となり、この式から r を求めると、
r = 0.9
(イ)になる。
【キーワード】
・キャッシュメモリ
・キャッシュヒット率
【キーワードの解説】
- キャッシュメモリ(cache memory)
コンピュータで命令を処理するCPUは非常に高速で動作するが、処理を行うプログラムやデータを記憶している主記憶の多くはアクセス速度の遅いDRAMなので、CPUの動作から考えるととても遅く、普通にメモリアクセスを行うとメモリアクセスがボトルネックになり処理速度が出ない。
そのため、主記憶とCPUの間に高価ではあるがアクセス速度の速いSRAMなどをキャッシュメモリとして配置し、頻繁に使用するデータやプログラムを一時的に記憶し、仮想的に主記憶へのアクセスを高速に見せる。
- キャッシュヒット率
アクセスしようとするデータがキャッシュメモリにある確率。
(確率なのでr とすると、0 ≤ r ≤ 1の範囲になる。)
もっと、「キャッシュメモリ」について調べてみよう。
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