モジュール設計書を基にモジュール強度を評価した。
適切な評価はどれか。
[モジュール設計書(抜粋)]
上位モジュールから渡される処理コードに対応した処理をする。
処理コードが“I”のときは挿入処理、処理コードが“U”のときは更新処理、処理コードが“D”のときは削除処理である。
ア |
これは“暗合的強度”のモジュールである。
モジュール内の機能間に特別な関係はなく、むしろ他のモジュールとの強い関係性をもつ可能性が高いので、モジュール分割をやり直した方がよい。 |
イ |
これは“情報的強度”のモジュールである。
同一の情報を扱う複数の機能を、一つのモジュールにまとめている。
モジュール内に各処理の入口点を設けているので、制御の結びつきがなく、これ以上のモジュール分割は不要である。 |
ウ |
これは“連絡的強度”のモジュールである。
モジュール内でデータの受渡し又は参照を行いながら、複数の機能を逐次的に実行している。
再度見直しを図り、必要に応じて更にモジュール分割を行った方がよい。 |
エ |
これは“論理的強度”のモジュールである。
関連した幾つかの機能を含み、パラメータによっていずれかの機能を選択して実行している。
現状では大きな問題となっていないとしても、仕様変更に伴うパラメータの変更による影響を最小限に抑えるために、機能ごとにモジュールを分割するか、機能ごとの入口点を設ける方がよい。 |
答え エ
【解説】
このモジュールは『上位から渡される処理コード』すなわちパラメータによって、挿入処理、更新処理、削除処理を選択できるので“論理的強度”(エ)になります。
モジュール強度を高い順に説明すると次のようになります。
- 機能的強度
一つの機能を実現するためだけのモジュール
- 情報的強度
特定のデータ構造を扱うためのモジュール
- 連絡的強度
関連ある逐次的な機能で要素が連絡し合うモジュール
- 手順的強度
関連ある逐次的な機能を扱うモジュール
- 時間的強度
時間的に連続した複数の機能を扱うモジュール
- 論理的強度
関連あるいは複数の機能を扱うモジュール
- 暗合的強度
関係の無い複数の機能を扱うモジュール
【キーワード】
・モジュール強度
【キーワードの解説】
- モジュール強度(結束性)
ここでいうモジュールとはプログラムのことです。
モジュールの独立性を示す指標の一つです。
モジュール強度には
暗合的 < 論理的 < 時間的 < 手順的 < 連絡的 < 情報的 < 機能的
があります。
基本的には、モジュール強度が高い方(右側)が、変更や流用が容易に行えるので良い設計になります。
もっと、「モジュール強度」について調べてみよう。
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