平成23年 秋期 ITサービスマネージャ 午前II 問3

コンピュータシステムにおけるジョブスケジューリングの特徴のうち、適切なものはどれか。

 ア  CPUに割り当てるジョブをOSが強制的に切り替えるタイムスライス方式では、タイマー割込みが多発するので、スループットが低下する。
 イ  FCFS(first-come first-served)方式のジョブスケジューリングでは、ジョブ間にCPUを公平に割り当てるので、スループットや応答時間の保証が可能となる。
 ウ  対話型処理とバッチ処理が混在するシステムでは、対話型処理の優先度を高くすることによって、対話型処理の応答性能の向上が期待できる。
 エ  入出力を多用するジョブよりもCPUを多用するジョブの処理優先度を上げた方が、CPUの待ち時間が少なくなるので、全体のスループット向上が期待できる。


答え ウ


解説

 ア  タイマー割込みの処理時間は短いので、スループットは低下しません。
(タイムスライス方式はタイマー割込みの処理時間が短いことを前提にしています。)
 イ  FCFS 方式のジョブスケジューリングは、最初に来たジョブに優先的にCPUを割り当てるため、後から来た他のジョブの応答時間が長くなります。
 ウ  対話型処理の優先度を高くすることによって、対話型処理の応答性能の向上が期待できます。
 エ  CPUを多用するジョブの処理優先度を上げると、CPUを多用するジョブにCPUを占有されてしまうため、他のジョブが待たされ全体のスループットは低下します。


キーワード
・スケジューリング

キーワードの解説
  • スケジューリング
    マルチタスクOSやマルチプロセッシング(マルチプロセス)OS、RTOS(Real Time OS)などで、CPU資源をどのタスク(プロセス)に割り当てるかを決める方法で、スケジューリングの方法でシステムの性能に大きく影響するOSの最重要部分です。
    タスク(プロセス)には、通常実行可能状態になったら即処理しなければいけないものと、多少は処理するまでに待ってもよいものがあるので、スケジューリングはこういったタスクに優先度を設け、優先度の高いものから処理を行うようにする。ただし、優先度の低いものが長時間処理されないような状態にならないようにするための工夫が必要である。

もっと、「スケジューリング」について調べてみよう。

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