仮想記憶方式のコンピュータにおいて、実記憶に割り当てられるページ数は3とし、追い出すページを選ぶアルゴリズムは、FIFOとLRUの二つを考える。
あるタスクのページのアクセス順序が
1, 3, 2, 1, 4, 5, 2, 3, 4, 5
のとき、ページを置き換える回数の組み合わせとして適切なものはどれか。
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FIFO |
LRU |
ア |
3 |
2 |
イ |
3 |
6 |
ウ |
4 |
3 |
エ |
5 |
4 |
答え イ
【解説】
FIFO、LRUの時のそれぞれのページの置き換え回数を数える。
- FIFO
最初のページの状態は何も入っていないのでページの状態は空である。
※ここで、右から左にページに割り当てられた順とする。(一番左が最後に割り当てられたページ)
- ページ1にアクセスする。
- ページ3にアクセスする。
- ページ2にアクセスする。
- ページ1にアクセスする。
ページ1はすでに実記憶に割り当てられているのでページの状態は変わらない。
- ページ4にアクセスする。
最初に割り当てられたパージ1が追い出されページ4が割り当てられる。
- ページ5にアクセスする。
最初に割り当てられたパージ3が追い出されページ5が割り当てられる。
- ページ2にアクセスする。
ページ2はすでに実記憶に割り当てられているのでページの状態は変わらない。
- ページ3にアクセスする。
最初に割り当てられたパージ2が追い出されページ3が割り当てられる。
- ページ4にアクセスする。
ページ4はすでに実記憶に割り当てられているのでページの状態は変わらない。
- ページ5にアクセスする。
ページ5はすでに実記憶に割り当てられているのでページの状態は変わらない。
したがって、ページの置き換え回数は3回である。
- LRU
最初のページの状態は何も入っていないのでページの状態は空である。
※ここで、右から左に最近アクセスした順とする。(一番左が最後にアクセスしたページ)
- ページ1にアクセスする。
- ページ3にアクセスする。
- ページ2にアクセスする。
- ページ1にアクセスする。
ページ1はすでに実記憶に割り当てられているので、ページの置き換えは発生しないが、順序が変わる。
- ページ4にアクセスする。
もっともアクセスのないページ3が追い出されページ4が割り当てられる。
- ページ5にアクセスする。
もっともアクセスのないページ2が追い出されページ4が割り当てられる。
- ページ2にアクセスする。
もっともアクセスのないページ1が追い出されページ2が割り当てられる。
- ページ3にアクセスする。
もっともアクセスのないページ4が追い出されページ3が割り当てられる。
- ページ4にアクセスする。
もっともアクセスのないページ5が追い出されページ4が割り当てられる。
- ページ5にアクセスする。
もっともアクセスのないページ2が追い出されページ5が割り当てられる。
したがって、ページの置き換え回数は6回である。
【キーワード】
・ページ置換えアルゴリズム
【キーワードの解説】
- ページ置換えアルゴリズム
ページングによる仮想記憶方式でページフォールトに伴うページアウト(主記憶からデータを磁気ディスクなどに退避する操作)するページを決める方法には幾つかあり、代表的なものとしては、
- LRU(Least Recently Used)
最も長い時間アクセスがないページをページアウトする。
- FIFO(First-In First-Out)
最も長い時間ページイン状態にあるページをページアウトする。
- NFU(Not Frequently Used)
アクセス回数の少ないページをページアウトする。
- NRU(Not Recently Used)
一定時間アクセスのないページをページアウトする。
などがある。
もっと、「ページ置換えアルゴリズム」について調べてみよう。
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