平成23年 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト 午前II 問8

タスクが発行するシステムコールと発行後の状態遷移先との組合せとして、起こり得るものはどれか。

発行するシステムコール 状態遷移先
イベントフラグ待ち 実行可能状態
セマフォのP操作 実行可能状態
メールボックスへの送信 実行可能状態
メモリ返却 待ち状態


答え ウ


解説

 ア  イベントフラグ待ちシステムコールを発行すると、タスクは実行状態から待ち状態に遷移します。
 イ  セマフォのP操作のシステムコールを発行すると、タスクは実行状態から待ち状態に遷移します。
 ウ  メールボックスへの送信システムコールを発行すると、タスクは実行状態から実行可能状態に遷移ます。
 エ  メモリ返却システムコールを発行しても、状態遷移は発生しません。


キーワード
・タスクの状態

キーワードの解説
  • タスクの状態
    マルチタスクのシステムにおいて、タスクの状態としては待ち状態、実行可能状態、実行状態がある。
    • 待ち状態
      タスクが実行するための条件が整うのを待っている状態。
    • 実行可能状態
      タスクが実行する条件が整い、実行状態の他のタスクの処理が終了するのを待っている状態。
    • 実行状態
      タスクが実行されている状態。実行状態になるタスクは最大で一つである。
    また、プリエンプション方式の場合は、実行可能状態になったタスクより、実行状態のタスクの優先度が低い場合、実行状態の低いタスクの処理を中断し、優先度の高いタスクを実行する。
    プリエンプションが発生しない場合、タスクの状態遷移は「待ち状態→実行可能状態→実行状態→待ち状態」になる。

もっと、「タスクの状態」について調べてみよう。

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