平成24年 春期 基本情報技術者 午前 問70

ワンチップマイコンの内蔵メモリとしてフラッシュメモリが採用されている理由として、適切なものはどれか。

 ア  ソフトウェアのコードサイズを小さくできる。
 イ  マイコンの出荷後もソフトウェアの書換えが可能である。
 ウ  マイコンの処理性能が向上する。
 エ  マスクROMよりも信頼性が向上する。


答え イ


解説
ワンチップマイコンの内臓フラッシュメモリはソフトウェアを格納するのに使用されます。

 ア  フラッシュメモリを採用してもソフトウェアのコードは小さくなりません。
(フラッシュメモリを書き換えるための処理が追加になるのでソフトウェアのサイズは大きくなるでしょう。)
 イ  フラッシュメモリならば、出荷後のソフトウェアの書換えが可能です。
ただし、マイコンに内蔵されたフラッシュメモリの書換え回数の制限はあまり多くありません。
 ウ  フラッシュメモリを採用しても処理速度は向上しません。
(マスクROMと比べアクセス速度が遅く、性能が落ちるかもしれません。)
 エ  フラッシュメモリを採用しても信頼性は向上しません。
(ソフトウェアバグで誤ってフラッシュメモリに格納されたソフトウェアを消去してしまう危険があるので信頼性は落ちるかもしれません。)


キーワード
・フラッシュメモリ

キーワードの解説
  • フラッシュメモリ(flash memory)
    EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)の一種で、電源を切ってもデータが消えない不揮発性のメモリで、ブロック単位での消去ができる。
    データは各ビットの値を1→0に書き変えることができる。ただし、ビット単位での0→1の書き換えはできない。(書き換えはバイト、ワード単位で行う。)
    ビットの値を1にする操作はフラッシュメモリの全部又は一部分(“セクタ”と呼ぶブロック単位)で行うことができ、1にする処理を消去と呼ぶ。
    大容量化が容易なので、SDメモリやコンパクトフラッシュ、USBメモリなどで使用されている。また、組込み系の機器(ハードディスクなどを持っていない機器:携帯電話、携帯音楽プレーヤ等)でプログラムやデータを格納する用途で使用されている。
    なお、書き換え回数に制限があり、少ないものでは10回程度、多いものでは100万回程度である。

もっと、「フラッシュメモリ」について調べてみよう。

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