平成25年 秋期 応用情報技術者 午前 問21

表はOSSのライセンスごとに、そのOSSを利用したプログラムを配布するとき、ソースコードを公開しなければならないかどうかを示す。
a〜dに入れるライセンスの適切な組合せはどれか。
ここで、表中の“○”は公開しなければならないことを表し、“×”は公開しなくてもよいことを表す。

a b c d
OSSのソースコードを修正して作ったプログラム ×
OSSに静的リンクしたプログラム × ×
OSSに動的にリンクしたプログラム × × ×

a b c d
GPL LGPL MPL BSD
GPL MPL BSD LGPL
LGPL GPL MPL BSD
LGPL MPL BSD GPL


答え ア


解説
OSSのライセンスは以下のようになっています。

  • GPL(General Public License)
    ソフトウェアとそれを使用するユーザーに、使用、複製、変更、再頒布などの自由を与えることを最大の目的としたライセンスです。
    動的/静的リンクに関わらず、GPLライセンスのソフトウェアの全部あるいは一部を利用して作られたソフトウェアもGPLライセンスとみなされます。
  • LGPL(Lesser General Public License)
    GPLを緩くしたライセンスで、動的リンクであれば本体プログラムのソースコードの公開義務がありません。
  • MPL(Mozilla Public License)
    プログラムを頒布する場合にはソースコードを公開する義務が生じるが、GPLと比較するとコピーレフト性の弱いライセンスです。
    MPLライブラリに静的/動的リンクするプログラムはライセンス適用の対象外となります。
  • BSD(Berkeley Software Distribution)
    “無保証”であることの明記と著作権およびライセンス条文自身の表示を再頒布の条件としているライセンスです。
    この条件さえ満たせば、BSDライセンスのソースコードを複製・改変して作成したオブジェクトコードをソースコードを公開せずに頒布できます。
したがって、これをまとめると
a b c d
OSSのソースコードを修正して作ったプログラム ×
OSSに静的リンクしたプログラム × ×
OSSに動的にリンクしたプログラム × × ×
ライセンス名 GPL LGPL MPL BSD
(ア)になります。


キーワード
・OSS

キーワードの解説
  • OSS(Open Source Software)
    ソフトウェアの著作権を守りながら、ソースコードを無償で公開し、誰でもそのソフトウェアを使用・改良・再頒布を可能にするという考えである。
    OSSの定義には、OSI(団体)がOSDという定義をしていて、その内容は
    1. 自由な再頒布ができること
    2. ソースコードを入手できること
    3. 派生物が存在でき、派生物に同じライセンスを適当できること
    4. 差分情報の頒布を認める場合には、同一性の保持を要求してもよいこと
    5. 個人や集団を差別しないこと
    6. 利用分野に対する制限を設けないこと
    7. 再頒布時に追加ライセンスを必要としないこと
    8. 特定の製品に依存しないこと
    9. 同じ媒体で頒布される他のソフトウェアを制限しないこと
    10. 技術的に中立であること
    となっています。

もっと、「OSS」について調べてみよう。

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