平成27年 春期 システム監査技術者 午前II 問19

共通鍵暗号方式において、100人の送受信者のそれぞれが、相互に暗号化通信を行うときに必要な共通鍵の総数は幾つか。

 ア  200  イ  4,950  ウ  9,900  エ  10,000


答え イ


解説
共通鍵暗号方式では相手ごとに異なった鍵を使用するため、N人がそれぞれと暗号化した通信を行う場合、全員が(N-1)個の鍵を持つ必要がある。
N人がそれぞれ(N-1)個の鍵をもつので、全員が持っている鍵の合計は、N×(N-1)個になる。
ただし、任意の2人の間では送信と受信で同じ鍵を用いるので、鍵の数としては、N×(N-1)÷2個になる。
これを、100人の場合で計算すると、4,950個(イ)になる。

例)A、B、C、Dの4人で共通鍵暗号方式を使用した通信を行う場合、必要な鍵としては、@AB、AAC、BAD、CBC、DBD、ECDの6個になる。(A→BとB→Aでは同じ鍵を使用する。)


キーワード
・鍵暗号方式
・共通鍵暗号方式
・公開鍵暗号方式

キーワードの解説
  • 鍵暗号方式
    鍵を用いる暗号化方式には、暗号化時と復号時で同じ鍵を使用する共通鍵暗号方式と、暗号化時と復号時で異なる鍵を使用する公開鍵暗号方式がある。
  • 共通鍵暗号方式
    共通鍵暗号方式では、通信する相手ごとに鍵を用意する。
    暗号化時と復号時に同じ鍵を使用するので、秘密裏に(安全な方法で)鍵を交換する必要がある。
    このことから、共通鍵暗号方式は限られた相手との通信に向いている。
    主な共通鍵暗号方式としては、DES、AES、FEAL、MISTYがある。
  • 公開鍵暗号方式
    公開鍵暗号方式では、通信する全ての相手に同じ鍵を使用する。
    暗号化時と復号時で異なった鍵を使用するので、暗号化する鍵を誰もが知ることのできるように公開し、復号鍵は自分で秘密に管理する。
    通信したい相手は公開鍵を取得し、この鍵で暗号化して送信する。受信側は受信したデータを自分の秘密鍵で復号する。
    自分の秘密鍵以外の鍵は管理が簡単であることから、公開鍵暗号方式は多数の相手との通信も簡単に行える。
    主な公開鍵暗号方式としては、RSA、楕円曲線暗号、ElGamal 暗号がある。

もっと、「共通鍵暗号方式」について調べてみよう。

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