平成28年 春期 応用情報技術者 午前 問3

多数のクライアントが、LANに接続された1台のプリンターを共同利用するときの印刷要求から印刷完了までの所要時間を、待ち行列理論を適用して見積もる場合について考える。
プリンターの運用方法や利用状況に関する記述のうち、M/M/1の待ち行列モデルの条件に反しないものはどれか。

 ア  一部のクライアントは、プリンターの空き具合をみながら印刷要求する。
 イ  印刷の緊急性や印刷量の多少にかかわらず、先着順に印刷する。
 ウ  印刷待ちの文書データがプリンターのバッファサイズを越えるときは、一時的に受付を中断する。
 エ  一つの印刷要求にかかる時間は、印刷の準備に要する一定時間と、印刷量に比例する時間の合計である。


答え イ


解説

 ア  待ち行列理論では、クライアント(客)は待ち行列の状況を確認しないでやってきます。
 イ  サービスを受けられるのは先着順で、優先度などは考慮しません。
 ウ  待ち行列理論では待ち行列の長さに制限はありません。
 エ  サービス時間は指数分布に従うので、“一定時間+α”という考え方はしません。
待ち行列理論では、どのくらいの待ち時間かを簡単に計算するために、現実の世界より少し融通が利きません。(優先順位があったり、途中で列を抜けたり、横入りがあったりしたら、計算が難しすぎて解けません。)


キーワード
・待ち行列理論

キーワードの解説
  • 待ち行列理論
    待ち行列理論とは、複数のクライアント(要求者、客)が何かしらサービスを受けるときに、どのくらい待つのかなというのを科学的に考えたものです。(病院の待ち時間、コンビニのレジの待ち時間など)
    待ち行列理論でよく出てくる、M/M/1というのは、
    • 最初のMはクライアントのやってくる間隔はポアソン分布に従うという意味です。(これはM以外にはないと思います。)
    • 次のMはサービス(処理)に要する時間は指数分布になるという意味です。(サービス時間が一定の場合はDになります。)
    • 最後の1はサービス窓口は1個という意味です。(窓口が2個の場合は2になります。)
    また、待ち行列理論では
    • 待ち行列は1つ。(窓口が複数になっても行列は1つ。)
    • 同時にサービスを受けられるのは窓口の数だけ。
    • 客は行列に並んだらサービスを受けるまで並び続ける。
    • 待ち行列の長さに制限はない。
    などの、特徴があります。

もっと、「待ち行列」について調べてみよう。

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