平成30年 秋期 ITストラテジスト 午前II 問12

ジェフリー・A・ムーアはキャズム理論において、利用者の行動様式に変化を強いるハイテク製品では、イノベータ理論の五つの採用区分の間に断絶があると主張し、その中でも特に乗り越えるのが困難な深く大きな溝を“キャズム”と呼んでいる。
“キャズム”が存在する場所はどれか。

 ア  イノベータとアーリーアダプタの間
 イ  アーリーアダプタとアーリーマジョリティの間
 ウ  アーリーマジョリティとレイトマジョリティの間
 エ  レイトマジョリティとラガードの間


答え イ


解説
キャズム理論(Chasm theory)は、イノベータ理論における、イノベータとアーリーアダプタで構成される初期市場と、アーリーマジョリティやレイトマジョリティによって構成されるメインストリーム市場の間には、容易には越え難い溝(キャズム)があるとする理論です。
キャズム理論では、アーリーアダプタとアーリーマジョリティの間(イ)にあるキャズムを超えなくては、新製品やサービスは市場に登場しても、成熟期を迎えることなく導入期や成長期といった初期市場で消えて行くことになってしまいます。


キーワード
・イノベータ理論

キーワードの解説
  • イノベータ理論
    新商品や新サービスなどイノベーション普及に関する理論で、商品購入の態度を新商品購入の早い順に五つに分類したものです。
    1. イノベータ(Innovators、革新者)
      冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。
    2. アーリーアダプター(Early Adopters、初期採用者)
      流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。
      他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。
    3. アーリーマジョリティ(Early Majority、前期追随者)
      比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる人。
      ブリッジピープルとも呼ばれる。
    4. レイトマジョリティ(Late Majority、後期追随者)
      比較的懐疑的な人。周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする人。
      フォロワーズとも呼ばれる。
    5. ラガード(Laggards、遅滞者)
      最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い人。
      イノベーションが伝統になるまで採用せず、伝統主義者とも呼ばれる。

もっと、「イノベータ理論」について調べてみよう。

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