システム開発のプロジェクトにおいて、リスク識別を効率よく行うための手段として、“JIS X 25010: 2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求および評価(SQuaRE)−システム及びソフトウェア品質モデル)”が規定する利用時の品質特性を用いてソフトウェアの品質に関するリスクを分析することにした。
“満足度”に対するリスクとして分類される、リスクとその評価の事例はどれか。
ア
システムが稼働する環境に依存した機能を使用しているので、現在の稼働環境とは異なる環境のプラットフォームに展開できず、柔軟でないと評価される。
イ
操作に習熟していない利用者が、誤った使い方をした時の対処法が分からずに困惑し、快適でないと評価される。
ウ
ソフトウェアパッケージを導入した際に、消耗品が多く必要となって、コストが膨らみ、効率的でないと評価される。
エ
導入したソフトウェアパッケージの目新しさだけが目立ち、業務の一部を手作業で補完しなければならず、有効でないと評価される。
答え イ
【解説 】
ア
システムが稼働する環境に依存した機能を使用しているので、現在の稼働環境とは異なる環境のプラットフォームに展開できず、柔軟でないと評価されるのは、“利用状況網羅性”に対するリスクです。
イ
操作に習熟していない利用者が、誤った使い方をした時の対処法が分からずに困惑し、快適でないと評価されるのは、“満足度”に対するリスクです。
ウ
ソフトウェアパッケージを導入した際に、消耗品が多く必要となって、コストが膨らみ、効率的でないと評価されるのは、“リスク回避性”に対するリスクです。
エ
導入したソフトウェアパッケージの目新しさだけが目立ち、業務の一部を手作業で補完しなければならず、有効でないと評価されるのは、“効率性”に対するリスクです。
【キーワード 】
・システム利用時の品質特性
【キーワードの解説 】
システム利用時の品質特性
JIS X 25010で定義されたシステム利用時の品質特性には、以下の5つがある。
有効性
明示された目標を利用者が達成する上での正確さ及び完全さの度合い。
効率性
利用者が特定の目標を達成するための正確さ及び完全さに関連して、使用した資源の度合い。
満足性
製品又はシステムが明示された利用状況において使用されるとき、利用者ニーズが満足される度合い。
リスク回避性
製品又はシステムが、経済状況、人間の生活又は環境に対する潜在的なリスクを緩和する度合い。
利用状況網羅性
明示された利用状況及び当初明確に識別されていた状況を超越した状況の両方の状況において、有効性、効率性、リスク回避性及び満足性を伴って製品又はシステムが使用できる度合い。
もっと、「ソフトウェアの品質特性」について調べてみよう。
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