平成31年 春期 基本情報技術者 午前 問10

A〜Dを、主記憶の実効アクセス時間が短い順に並べたものはどれか。

キャッシュメモリ 主記憶
有無 アクセス時間(ナノ秒) ヒット率(%) アクセス時間(ナノ秒)
A なし - - 15
B なし - - 30
C あり 20 60 70
D あり 10 90 80

 ア  A、B、C、D  イ  A、D、B、C
 ウ  C、D、A、B  エ  D、C、A、B


答え イ


解説
A〜Dの実効アクセス時間を求める。
ここで、キャッシュヒット率:r 、キャッシュメモリアクセス時間:C、主記憶アクセス時間:Mとすると、キャッシュを考慮したメモリアクセス時間は r +M×(1-r ) になる。

 A  キャッシュメモリがないので、主記憶のアクセス時間が実効アクセス時間なので、15ナノ秒
 B  キャッシュメモリがないので、主記憶のアクセス時間が実効アクセス時間なので、30ナノ秒
 C  キャッシュメモリがあるので実効アクセス時間は、20×60% + 70×40% = 40ナノ秒
 D  キャッシュメモリがあるので実効アクセス時間は、10×90% + 80×10% = 17ナノ秒
したがって、実効アクセス時間の短い順にならべると、A、D、B、C(イ)になる。


キーワード
・キャッシュメモリ
・キャッシュヒット率

キーワードの解説
  • キャッシュメモリ(cache memory)
    コンピュータで命令を処理するCPUは非常に高速で動作するが、処理を行うプログラムやデータを記憶している主記憶の多くはアクセス速度の遅いDRAMなので、CPUの動作から考えるととても遅く、普通にメモリアクセスを行うとメモリアクセスがボトルネックになり処理速度が出ない。
    そのため、主記憶とCPUの間に高価ではあるがアクセス速度の速いSRAMなどをキャッシュメモリとして配置し、頻繁に使用するデータやプログラムを一時的に記憶し、仮想的に主記憶へのアクセスを高速に見せる。
  • キャッシュヒット率
    アクセスしようとするデータがキャッシュメモリにある確率。
    (確率なのでr とすると、0 ≤ r ≤ 1の範囲になる。)

もっと、「キャッシュメモリ」について調べてみよう。

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