平成31年 春期 応用情報技術者 午前 問80

技術者倫理の観点から、職務執行において技術者が優先すべきこととして、最も適切なものはどれか。

 ア  会社の利益  イ  技術者個人の名誉
 ウ  公衆の安全  エ  コストの削減


答え ウ


解説
技術者倫理を妨げるものとして、集団が合議によって意思決定を行うとき、集団の強い結束がマイナス方向に作用して、メンバーが個人で決定を下す場合よりもしばしば愚かで不合理な決定を行ってしまう集団思考というのがあり、アーヴィング・ジャニスはそれには8つの兆候があると指摘しています。

  1. 無敵感が生まれ、楽観的になる「集団は不死身の幻影」
  2. 自分たちは道徳的であるという信念が広がる「われわれ感情」
  3. 決定を合理的なものと思い込み、周囲からの助言を無視する「合理化」
  4. ライバルの弱点を過大評価し、能力を過小評価する「モラルの幻影」
  5. みんなの意見から外れないように、自分で自分を検閲する「“波風を立てない”よう自己検閲」
  6. 過半数にすぎない意見であっても、全会一致であると思い込む「満場一致の幻影」
  7. みんなの決定に異論をとなえるメンバーに圧力がかかる「直接圧力」
  8. 自分たちに都合の悪い情報を遮断してしまう「心の警備」


キーワード
・技術者倫理

キーワードの解説
  • 技術者倫理
    技術者が、ある社会集団において、研究・経験・実務を通じて獲得した数学的、科学的知識を駆使して、人類の利益のために自然の力を経済的に活用するうえで必要な行為の善悪、正と不正や、その他の関連する価値に対する判断を下すための規範体系の総体、ならびに、その体系の継接的、批判的検討、さらに、この規範体系に基づいて判断を下すことのできる能力のことです。

もっと、「技術者倫理」について調べてみよう。

戻る 一覧へ