平成31年 春期 システム監査技術者 午前II 問23

ソフトウェアライフサイクルプロセスにおいて、ソフトウェア破棄の実行アクティビティで実施するタスクのうち、適切なものはどれか。

 ア  ソフトウェア製品の廃止後は、ソフトウェ製品だけでなく、全ての関連開発文書、ログ及びコードを速やかに破棄する。
 イ  ソフトウェア製品の廃止の計画及び活動を利用者に通知し、予定した廃止の時期が来れば、全ての関係者に廃止を通知する。
 ウ  廃止したソフトウェア製品で使用されたデータは、速やかに破棄する。
 エ  廃止対象のソフトウェア製品と後継のソフトウェア製品との並行運用は避け、廃止した直後に後継のソフトウェア製品の利用者を教育訓練して移行する。


答え イ


解説
ソフトウェアライフサイクルプロセスについて書かれたJIS X 160にソフトウェア破棄の実行アクテビティについて以下のように書かれています。

  • ソフトウェア製品及びソフトウェアサービスの廃止のための計画及び活動について、利用者に通知する。
  • 廃止するソフトウェア製品及び新ソフトウェア製品の並行運用が、新システムへの円滑な移行のために行われることが望ましい。この期間に、契約の指定に従って、利用者の教育訓練を提供する。
  • 予定した廃止する時期が来れば、全ての関係者に通知する。適切な場合、全ての関連開発文書、ログ及びコードは、保管することが望ましい。
  • 廃止したソフトウェア製品で使用されたデータ又はそれに関連するデータは、データ保護及びデータに適用される監査のための契約要求事項に従って、アクセス可能とする。


キーワード
・JIS X 0160

キーワードの解説
  • JIS X 0160
    ソフトウェアライフサイクルプロセスに関する日本工業規格で、システム開発の発注側と受注側の双方で相互に理解できる共通枠組みを、明確に定義された用語で規定したものです。
    ソフトウェア実装プロセスは「ソフトウェア製品又はソフトウェアサービスとして実現される指定のシステム要素を作り出すことを目的とする。このプロセスでは、指定された動作、インタフェース及び実装上の制約条件を、ソフトウェア製品又はソフトウェアサービスとして実現されたシステム要素、別名では“ソフトウェア品目”とされているシステム要素を作り出すことに変換する。このプロセスは、検証を通じて方式設計の要求事項を満足し、妥当性確認を通じて利害関係者の要求事項を満足するソフトウェア品目を結果としてもたらすものである。」とあり、下位レベルのプロセスとして
    • ソフトウェア要求事項分析プロセス
      システムのソフトウェア要素の要求事項を確立することを目的とする。
    • ソフトウェア方式設計プロセス
      要求事項を実装し、それに対して検証できるソフトウェアの設計を提供することを目的とする。
    • ソフトウェア詳細設計プロセス
      要求事項及びソフトウェア方式に対して実装し、検証でき、コーディング及びテストを可能にするために十分に詳細である設計をソフトウェアのために提供することを目的 とする。
    • ソフトウェア構築プロセス
      ソフトウェア設計を適切に反映した実行可能なソフトウェアユニットを作り出すことを目的とする。
    • ソフトウェア結合プロセス
      ソフトウェアユニット及び構成部品を組み合わせ、結合されたソフトウェア品目を作り出すことを目的とする。
    • ソフトウェア適格性確認テストプロセス
      結合されたソフトウェア製品がその定義された要求事項を満たすことを確認することを目的とする。
    を持ちます。

もっと、「ソフトウェアライフサイクルプロセス」について調べてみよう。

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