平成19年 秋期 基本情報技術者 午前 問4

浮動小数点形式で表現された数値の演算結果における丸め誤差の説明はどれか。

 ア  演算結果がコンピュータによって扱える最大値を超えることによって生じる誤差である。
 イ  数表現のけた数に限度があるので、最下位けたより小さい部分について四捨五入や切上げ、切捨てを行うことによって生じる誤差である。
 ウ  乗除算において、指数部が小さいほうの数数値の仮数部の下位部分が失われることによって生じる誤差である。
 エ  絶対値がほぼ等しい数値の加減算において、上位の有効数字が失われることによって生じる誤差である。


答え イ


解説

 ア  けたあふれの説明である。
例えば、4ビットの正の整数しか扱えないコンピュータで8(1000)×4(0100)=32(10 0000)は結果が4ビットに収まらないのでけたあふれが発生する。(8けたの電卓で、9けたの数字を扱うのと同じ。)
 イ  丸め誤差の説明である。
例えば、1÷3は0.333333…であるが、コンピュータで有効けた数が小数第二位だった場合、0.33になり、誤差として0.003333…が生じる。
 ウ  情報落ちの説明である。
例えば、3.0×105-2.0×10-1=2.999998×105であるが、仮数部の有効けた数が2けたとすると3.0×105になってしまい、-2.0×10-1の情報が無視されることである。
 エ  けた落ちの説明である。
例えば、(10÷30)-(10÷31)を有効けた数小数第2位までとして計算すると、10÷30=0.33333… ≒ 3.33×10-1になる。また、10÷31=0.32258… ≒ 3.32×10-1になる。
したがって、(10÷30)-(10÷31)=3.33×10-1-3.32×10-1=0.01-1=1×10-3になり、有効けた数が1けたになってしまう。


キーワード
・誤差

キーワードの解説
  • 誤差
    コンピュータでは扱える情報の量(形式)に制限があるため、扱う数値によっては様々な誤差を生じる。
    代表的な誤差としては、丸め誤差、打ち切り誤差、情報落ち、けた落ち、けたあふれなどがある。

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