平成20年 春期 基本情報技術者 午前 問36

ADSLに関する記述として、適切なものはどれか。

 ア  既存の電話回線(ツイストペア線)を利用して、上り下りの速度が異なる高速データ伝送を行う。
 イ  電話音声とデータはターミナルアダプタ(TA)で分離し、1本の回線での共有を実現する。
 ウ  電話音声とデータを時分割多重して伝送する。
 エ  光ファイバケーブルを住宅まで施設し、電話やISDN、データ通信などの各種通信サービスを実現する。


答え ア


解説

 ア  ADSLの説明です。
ADSLのA(Asymmetric)の非対称は上りと下りの通信速度が異なることを意味しています。
通信速度は規格や通信キャリア(会社)によって異なりますが、上りは512kbps〜12.5Mbps、下りは1.5Mbps〜50Mbpsです。
 イ  ISDN(Integrated Services Digital Network、総合デジタル通信網サービス)の説明です。
通信速度としては、1本の制御用のDチャネル16kbpsと、2本の通信用Bチャネル64kbpsです。
 ウ  時分割多重(time division multiplexer)はデジタルデータの通信回線で多く使われています。(BSデジタル、CSデジタル)
 エ  光通信の説明です。
光通信では光ファイバをどこまで敷設するかでサービスの名前が変わります。FTTH(Fiber To The Home、一般個人用)、HTTB(Fiber To The Building、集合住宅用)、HTTC(Fiber To The Curb、集合ボックス利用)


キーワード
・ADSL

キーワードの解説
  • ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line、非対称デジタル加入者線)
    一般のアナログ電話回線を用いて高速データ通信を可能にする技術で、通常の音声通信で使用しない高周波帯域を用いてデータ通信を行う。
    通常の音声通話では4kHzまでの周波数帯域を使用するが、データ通信には25kHz〜1,100kHz程度の周波数帯域を使う。(使用する周波数帯によってデータ通信速度が異なる。)
    音声通話とデータ通信の分離・混合はスプリッタが行い、データ通信の符号化・復号はADSLモデムが行う。(装置としてはスプリッタ機能を内蔵したADSLモデムが多い。)
    ADSLの特徴としては、高周波数帯域を利用することを想定していないアナログ電話線を転用しているため、伝送特性が保障されていない。また、電話局からの距離で通信速度が出なくなる。

もっと、「ADSL」について調べてみよう。

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