LANの制御方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア |
CSMA/CD方式では、単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと、衝突の頻度が増すので、スループットはある値をピークとして、その後下がる。 |
イ |
CSMA/CD方式では、一つの装置から送出されたフレームが順番に各装置に伝送されるので、リング状のLANに適している。 |
ウ |
TDMA方式では、伝送路上におけるフレームの伝送遅延時間による衝突が発生する。 |
エ |
トークンアクセス方式では、トークンの巡回によって送信権を管理しているので、トラフィックが増大すると、CSMA/CD方式に比べて伝送効率が急激に低下する。 |
答え ア
【解説】
ア |
説明の通り、CSMA/CD方式はトラフィックが増大すると、あるときからスループットが下がります。(理想的な、トラフィック量は30%以下程度でしょうか…。) |
イ |
トークンアクセス(トークンリング、トークンパッシング)方式の説明です。 |
ウ |
CSMA/CD方式の説明です。TDMA方式では伝送遅延時間による衝突は発生しません。 |
エ |
トークンアクセス方式では、CSMA/CDのような衝突が発生しないため、トラフィックが増大しても伝送効率の低下は少ないです。 |
【キーワード】
・CSMA/CD
・TDMA
・トークンアクセス
【キーワードの解説】
- CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)
日本語に訳すと「搬送波感知・多重アクセス/衝突検出方式」と呼ばれます。
データを送信しようとする端末は、まず回線の状態を確認し誰もデータ送信中でないことを確認する。(搬送波感知、Carrier Sense)
相手いればデータを送信するし、送信中であったら送信が終わるのを待つ。
送信するときは、早い者勝ちであり、ネットワーク上の複数の端末が同時に送信することもある。(多重アクセス、Multiple Access)
データ送信中も回線を監視し、自分以外の端末が送信していないか確認する。(衝突検出、Collision Detection)
もし、他の端末と送信がぶつかったときはランダム時間待って再送を行う。
EthernetがCSMA/CDを採用している。
- TDMA(Time Division Multiple Access)
日本語に訳すと「時分割多元接続」と呼ばれます。
携帯電話など無線通信で使用される通信方式で、複数の端末が1つの周波数を短い時間で切り替えながら送信を行います。
- トークンアクセス(Token Access)
ネットワーク上をトークンという特定の内容のデータが巡回していて、トークンを受信した端末がデータ送信を行うことができます。(送信したいデータがあっても、トークンが来るまで待ってから送信する。)
ネットワーク上、複数の端末が同時に送信を行うことないので、衝突(コリジョン)が発生しないのが優位点ですが、CSMA/CDの高速化に伴い優位性が失われてしまいました。
IEEE 802.5で規格化され、端末がリング状に接続されるのが特徴です。
もっと、「CSMA/CD」について調べてみよう。
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