平成18年 秋期 ソフトウェア開発技術者 午前 問73

公開鍵基盤とハッシュ関数を使用したメッセージ認証の手法はどれか。

 ア  受信者は、送信者の公開鍵とハッシュ関数を用いてハッシュ値を復号し、メッセージを得る。
 イ  受信者は、ハッシュ関数を用いてメッセージからハッシュ値を生成し、送信者の公開鍵で復号したハッシュ値と比較する。
 ウ  送信者は、自分の公開鍵とハッシュ値を用いてメッセージからハッシュ値を生成し、メッセージとともに送信する。
 エ  送信者は、ハッシュ関数を用いて送信者の秘密鍵のハッシュ値を生成し、メッセージとともに送信する。


答え イ


解説

 ア  ハッシュ値の復号には送信者の公開鍵は使用しますが、ハッシュ関数は使用しません。
 イ  送信者は自分の秘密鍵でハッシュ値を暗号化して送信し、受信者は送信者の公開鍵で受信したハッシュ値を復号します。
送信者の公開鍵で復号できるデータを暗号化することができるのは、送信者しか知らない秘密鍵ですので、悪意の第3者がハッシュ値を改ざんすることはできません。
 ウ  送信者の公開鍵で暗号化したデータを復号できるのは、送信者しかもっていない秘密鍵ですので、この方法では受信者はハッシュ値の復号ができず、確認が行えません。
 エ  送信者の秘密鍵は送信者しか知らないので、受信者は受信したハッシュ値と比較するためのデータを生成することができません。


キーワード
・公開鍵基盤
・ハッシュ関数
・メッセージ認証

キーワードの解説
  • 公開鍵基盤(Public Key Infrastructure、PKI)
    公開鍵暗号方式を用いた通信で、通信を行うものの身元保証を行う仕組みのことです。
  • ハッシュ関数
    データから、一定の範囲の数値データを生成する関数で、元のデータが違えばハッシュ関数の結果(ハッシュ値)も異なるようなアルゴリズムになっています。
    代表的なハッシュ関数としては、MD2、MD4、MD5、SHAなどがある。また、共通鍵暗号(DESなど)を用いてハッシュ値を生成することもあります。
  • メッセージ認証
    メッセージの同一性を保証する手段です。(送信者から受信者までの間で改ざんされていないことを証明する。)
    送信側は、メッセージからハッシュ関数でハッシュ値を求め暗号化して、メッセージと暗号化したハッシュ値を送信します。
    受信側は、受信した暗号化されたハッシュ値を復号し、受信したメッセージから求められるハッシュ値と比較することで、メッセージの同一性を確認します。

もっと、「公開鍵基盤」について調べてみよう。

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