平成19年 春期 ソフトウェア開発技術者 午前 問49

自社で開発した大規模なアプリケーションソフトウェアの保守費用の推移を表したグラフとして、適切なものはどれか。
ここで、グラフの横軸は使用開始から使用停止までの経過時間、縦軸は単位期間あたりの保守費用とする。

 ア    イ  
 ウ    エ  


答え ア


解説
ソフトウェアの運用を開始すると、段々と多くの利用者が使うようになり、それに比例して不具合が出るので保守費用としては右上がりのカーブになります。
その後、不具合の発生検出が減り、保守費用は右下がりになります。
ある程度、安定した状態が続くと、今度は利用者からの要求で使い勝手の修正や機能変更・追加などの作業が行われ、保守費用は右上がりになります。

※なぜ運用開始後に不具合が出るか?
 開発者がテスト工程で徹底的にテストを行ったとしても、運用を開始するとどうしても不具合が出ます。
 例えば、5人の開発者が1ヶ月(200H)の試験をしてもソフトウェアの動作時間は1,000Hで、5パターンの環境ですが、運用を開始して1,000人が1日1Hソフトウェアを利用しても、1日当たり1,000Hの動作時間になり、開発者が1ヶ月かけて行ったテスト時間と同等になり、しかも1,000パターンの環境でのテストになるため、開発者が見つけられなかった不具合が出やすくなります。


キーワード
・ソフトウェアの保守

キーワードの解説
  • ソフトウェアの保守
    ソフトウェアの保守とは、ソフトウェアの改良・最適化と不具合(バグ)を修正する工程(プロセス)で、開発工程の一部分になります。
    開発したソフトウェアの運用を開始すると、今まで開発者が行っていたテスト以外の様々な操作が多くの利用者により行われるため、運用前のテスト段階で洗い出せなかった不具合が出ます。
    その後、不具合が出尽くして動作が安定してくると、使い勝手の改善などの修正が行われます。

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